角田裕毅、圧巻ロングで”収穫”…テスト最終予選ランに注目。開幕バーレーンを見据えるアルファタウリ
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2023年F1プレシーズンテスト2日目に臨んだスクーデリア・アルファタウリは「AT04」の高い信頼性を背景に、全チーム最多となる159周の大量マイレージを稼いだ。最も少なかったメルセデスとの差は61ラップに及ぶ。
特に角田裕毅はレース・シミュレーションに取り組み、圧巻の単独85周を記録した。来週末に控える開幕バーレーンGPの1.5レース分に相当するこの距離は、単独でのマイレージとしてはこの日の最多だ。
誰よりも慌ただしい午前を過ごした角田裕毅は「誰よりも多く周回数をこなせて良いセッションになりました。昨日は予定していた周回数に届いていなかったので、プログラムの遅れを取り戻すことができました」と振り返った。
精力的な走り込みの結果、アルファタウリのエンジニア達はクルマの改善に繋がる収穫を得たようだ。
「今日は主に、幾つか課題がある事が分かったロングランに集中して取り組みました。これと同時に、レースに向けて有益なデータを収集することができ、明日につながる前向きな材料を得る事ができました」と角田裕毅は語った。
タイムシートとしては最速を刻んだ周冠宇(アルファロメオ)から6秒落ちの17番手最下位だが、角田裕毅の自己ベストはC2タイヤによるものだった。真のペースの一端は最終3日目に見られそうだ。
角田裕毅は「全体的に自身のドライビングとチームに対するフィードバックには満足しています。この点に関しては絶えず改善していると思いますし、この調子で仕事を続けるつもりです。明日のショートランが楽しみです」と付け加えた。
レース・シミュレーションは開幕バーレーンGPを見据えたものだ。チーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは2日目のプログラムを次のように説明する。
「全体として今日は非常に生産的な1日を過ごすことができた。クルマの信頼性は非常に高く、大きな問題もなく159周を走り込んだ」
「ユーキは午前中にクルマに乗り込み、まずは通常通りエアロレイクを取り付けて走行した後、そのまま2ストップ戦略のレースシミュレーションを行って第1戦に向けた準備を開始した」
「この一環として新しいピレリのC1コンパウンドをテストし、来週に向けて有益なデータを収集した」
「午前のプログラムは暑いコンディションでのバランス改善を目的とした幾つかのセットアップ作業で締め括られた」
午後に作業を引き継いだニック・デ・フリースはC4コンパウンドで4番手を刻んだ。明日の登板は暑いコンディションの日中で、予選シミュレーションに取り組めるのはこの日が最後だった。
同じC4コンパウンドを履くニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)にコンマ2秒差をつけての上位ランクと期待を抱かせるタイムだが、デ・フリースは慎重だ。
「赤旗でセッションが中断される場面があったけど、予定していたプログラムを何とかやり遂げることができたし、今日もポジティブな1日だった」とデ・フリース。
「かなりの量のテストをこなせたから満足しているけど、パフォーマンスという点に関しては何とも言えない。明日もう1日テストがあるから、そこで全てをやり終えてレースに向けてまとめ上げていければと思ってる」
デ・フリースの担当プログラムは角田裕毅とは大きく異るものだった。
エドルズは「午後は空力的な作業を中心としたもので、ニックが作業を引き継ぎ、通常フリー走行ではテストできないような大掛かりなセットアップを試した」と説明した。
「終盤に向けては新品タイヤを履いて走行を行った。ニックはラップタイムを上げ、セットごとに改善していくなど、本当に順調だった」
明日は午前をデ・フリースが、午後の最終セッションを角田裕毅が締めくくる。
エドルズは「今日のテストでクルマのパフォーマンスに関する幾つかの領域が浮き彫りになった。データ分析を通じて今夜、さらに深く掘り下げていくつもりだ。明日のテスト最終日に向けて変更を加えて、更にパフォーマンスを向上させていきたい」と付け加えた。
テスト最終3日目の25日(土)も午前と午後の2回に分けてセッションが行われる。テストの模様はDAZNとフジテレビNEXTが完全ライブ配信・生中継する。