
アロンソ、身の丈超えの「7つ上プッシュ」で今季初SQ2進出。代償クラッシュに苦笑い…ホンダ「前向きな兆し」に手応え
アストンマーティン・ホンダが、F1第5戦カナダGPのスプリント予選で2026年シーズン初となるSQ2進出を果たした。だが、それは代償を伴うものだった。フェルナンド・アロンソがSQ1でクラッシュを喫したのだ。
FP1で今季のプラクティス最上位となる10番手につけたアロンソは、SQ1で異変に見舞われた。セッション終了まで残り1分46秒、ターン3への進入でフロントタイヤをロックさせ、バリアに激しく衝突した。
「フロントをロックしてしまって、その後はもう、なすすべがなかった」とアロンソは振り返る。「それに、ここカナダには、衝突を避けるスペースがまったくない。限界を超えすぎてしまった」
この一件で、セッションは赤旗中断となった。これはこの日4度目の赤旗だった。スプリント予選に先立ち行われた週末唯一のプラクティスでは、すでに3度の赤旗が振られており、週末を通じて混乱が続くこととなった。
Into the barriers for Fernando! 😳
Here is the moment that ended Alonso's SQ1 prematurely 👇#F1Sprint #CanadianGP pic.twitter.com/1vOoRXYDKK
— Formula 1 (@F1) May 22, 2026
赤旗で固まった今季初のSQ2進出
クラッシュの時点でアロンソは、SQ2進出圏内の14番手につけていた。クラッシュにより振られた赤旗で、14番手というアロンソの結果が固まったことは疑いない。
セッションは残り1分46秒で再開された。この短い時間でコースに戻り、タイムを更新できるマシンは限られていた。ただし、クラッシュがなければアロンソがSQ1で敗退していたかと言えば、決してそうとは言い切れない。
アレックス・アルボン(ウィリアムズ)とリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)は、プラクティスでのトラブルにより、そもそもSQ1に出走できていなかった。
仮に再開後にピエール・ガスリー(アルピーヌ)がアロンソを上回ったとしても、アロンソは15番手で、なお進出圏内にとどまる。
アロンソがキャデラックの2台と、チームメイトのランス・ストロールを上回る公算は高く、クラッシュの有無にかかわらず、SQ2に進んでいた可能性が高い。
いずれにせよ、これがアストンマーティン・ホンダにとって2026年初のSQ2進出となった。苦難続きのシーズンを送ってきたチームにとって、数少ない明るい材料だ。
身の丈を越えた限界プッシュ
アロンソが予選でクラッシュするのは極めて珍しい。マシンに何か問題でもあったのだろうか。それに対するアロンソの答えは、チームが置かれた現状を物語るものだった。
「まあ、僕らにはペースがなく、少し後れを取っていたしね。たしか[結果は]14番手だったと思うけど、要は、本来の位置より7つ、あるいは8つくらい上を狙ってプッシュしていたってことさ」とアロンソは苦笑いを浮かべた。
身の丈を超えた限界域にまで踏み込まざるを得なかったことが、ロックアップとクラッシュを招いた。
アストンマーティン・ホンダは、開幕から苦しいシーズンを過ごしてきた。前戦マイアミGPでようやく両車が揃って完走を果たし、振動問題に終止符を打ったばかりという状況だった。
FP1でアロンソが10番手につけたことは、わずかな前進の兆しでもあった。その流れのなかでつかんだ初のSQ2進出だったが、後味は決して甘くない。
SQ2に進んだアロンソだったが、走行を再開することはできなかった。クラッシュによるマシンの損傷がそれを許さなかった。今季初のSQ2は、1周も走れないまま終わった。
ホンダが見た前向きな兆し
とはいえ、アストンマーティン・ホンダが少なからず前進し続けていることは疑いない。
ホンダはカナダGPに向けて、HRC Sakuraとともにエネルギーマネジメントの最適化とドライバビリティの改善という2つの課題に取り組んできた。
折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは、2つのセッションを通して「前向きな兆し」があったと振り返る。
「エネルギーマネジメントについては、シミュレーション結果に基づいて慎重なセッティングから始め、走行を重ねながら調整を加えていくことで、セッションを通じて最適化を進めることができました」
「フリー走行、スプリント予選ともに大きな問題は見られず、データ上でもドライバビリティの面で前向きな兆しを確認することができています。まだ十分ではありませんが、進むべき方向性は見えてきているので、引き続き改善を続けていきます」