ホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターと話をするレッドブル・ホンダのアレックス・アルボン、2019年F1イタリアGPにて
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アレックス・アルボン、ホンダとの関係性に満足「誰もがみな情熱を持っているから相性が抜群」

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将来のF1ワールドチャンピオン筆頭候補と目されるマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてF1デビューを果たしただけに、アレックス・アルボンにとっての2019年シーズンは学ぶべき事の多い一年となったようだが、それに留まることなく、今回初めて仕事をする事となった日本の自動車メーカーとの関係性にも大いに触発されたようだ。

イギリス育ちのタイ国籍ドライバーは今年、日産e.damsから引き抜かれる形でトロロッソ・ホンダからF1電撃デビューを果たし、苦境に立たされていたピエール・ガスリーの後任として夏休み明けのベルギーGPよりレッドブル・ホンダに合流した。

内外から高い評価を得て初年度を終えたアルボンだが、真の試練は2年目に訪れる。レッドブル・ホンダは、タイトル争いを標榜する2020年シーズンのマックス・フェルスタッペンの僚友としてアルボンを指名しており、シンデレラボーイは来年、キャリアを賭けた正念場を迎える事になる。

アルボンは激動の一年間を振り返り、スパ・フランコルシャン以降のレースで同じマシンをドライブする事になった”二人目”のチームメイトについて、「マックスの速さや素質は、誰もが知るところだ。グリッド上で最速と言われれるドライバーをチームメイトに持つ事以上に、自分自身を高める方法はない」と語った。

「彼はこのチームで何年も経験を積んできているからこそ、未知の要素から最良のものを導き出す方法を知っているんだ。それは僕にとって、まだ学習プロセスの最中だ」

アルボンは今季、チャンピオンシップ8位を獲得したのみならず、その活躍が認められ、FIA国際自動車連盟のルーキー・オブ・ザ・イヤーにも選出された。アルボンは来シーズンを見据えて「少しは”普通の”シーズンになるはず」と語りつつ、ホンダのメンバー達の仕事に対するスタンスを次のように評した。

「来シーズンはもう少し”普通”の一年になると思う。今年は僕にとってF1での初めてのシーズンだったから、その意味では明らかに”普通”じゃなかったからね。同時にそれは、ホンダとの初めてのシーズンでもあったわけだけど、彼らとの関係性は本当に素晴らしい。誰もがみんな情熱を持っているからこそ、黙々と仕事をこなすし相性が良いんだ」

“学習の一年”と捉えて挑んだシーズンだった事も手伝い、フェルスタッペンとのラップタイムのギャップは時として大きく開き、トップ5バトルから幾らか遅れた場外ポジションにいる事の多かったアルボンだが、メルセデスやフェラーリとのマシンパフォーマンス格差は一層縮まっており、来季は優勝争いに加わりたいと意気込む。

「ギャップは縮まってきてるし、来年に向けては自身を持ってる」とアルボン。「僕らは、マシン開発の上で非常に重要なプラットフォームを持ち合わせているし、次のステップに進みたいと切望している。すべてが正しい方向に進んでいるし、来年は先頭争いに絡みたいね!」