ニコラス・ラティフィ、F1離脱を経てMBA取得へ…レースキャリアを一時中断
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昨年末を以てウィリアムズのシートを失った元F1ドライバーのニコラス・ラティフィは当面、レース活動を行わず、ロンドン・ビジネス・スクールに通ってMBA(経営学修士)の取得を目指す計画だ。
ラティフィは2020年から22年までの3シーズンに渡って英国グローブのチームに在籍。61戦の中で、自己最高位となる2021年ハンガリーGPでの7位入賞を含めて3度のポイント獲得を果たした後、ローガン・サージェントにシートを奪われる形でF1を去った。
食品会社でウィリアムズのスポンサーでもあったソフィーナ・フードの会長兼CEOのマイケルを父に持つニコラスは18日(火)、幼少の頃から興味のあったビジネスを学ぶために、少なくとも今年はレースから完全に離れる計画であることをSNSを通して明らかにした。
「シーズンのかなり早い段階で2023年はレースをしないと決めたんだ」とラティフィは説明する。
「人生の半分以上を過ごしてきた日常がないのは本当に不思議な感じだった。レーシングカーのステアリングを握らないと決めた後、レースに関わるものであれ別のものであれ、次に何ができるのかを考えて、当面は時間をかけて別の道を追求したいと思った」
「僕は子供の頃からビジネスの世界に強い関心を持っていて、レースの道に進まなければ大学で勉強しただろうっていつも言ってたんだ。そんな事もあって、MBAの学位を取得して、自分の次の人生を変えるような何かに取り組んでみる事にした」
「MBAはたとえ30代後半から40代前半になったとしても、レーシングドライバーとしての現役引退後に取得しようとずっと思っていたんだ」
「シーズンの早い段階でMBAを取りに行こうって決意した後、何処が自分に合うかなど、いろんなビジネススクールを調べ、応募に向けて準備をし、GMAT(入学適性テスト)の勉強に時間を割いた」
「楽じゃなかったよ。何ヶ月もかかった。ビジネススクールへの出願を経験したことのある人なら誰でも、それが如何に難しいかを知っているはずだ」
「そうこうして5ヶ月という道のりを経て嬉しいことに、今年8月に始まるロンドン・ビジネス・スクール(LBS)のMBAプログラムへの入学が認められた」
ラティフィは自身の決断が「多くの人たちにとって驚くべきものに見えるかもしれない」「別のレースカテゴリーに転向するのが最も賢明と思われるかもしれない」と認めたが、別のキャリアを追求するには今が絶好のチャンスだと感じたという。
「いつかは必ずレースを終えて次の人生を歩む事になるわけで、今がその準備のためのタイミングなのかもしれないって思ったんだ」とラティフィ。
「これは必ずしもレースの世界に永遠に別れを告げるものじゃない。レースは13歳の時から続く僕の人生だし、今でも情熱を持っている。それに今シーズンはまだ一度もF1のレースを見逃したことはない。でも今年は人生における他の道を模索し、追求するのに適切な時期だと感じたんだ」
「この挑戦を本当に楽しみにしている。これまでのキャリアを通して僕を支えてくれた皆に感謝したい。別の道を追求している間もサポートしてくれたら嬉しい」