9割のドライバーはフェルスタッペンの隣に沈む、とセルジオ・ペレス

レース後のパルクフェルメで話をする優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペンと3位のセルジオ・ペレス、2023年7月23日(日)F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレス(レッドブル)は、同じクルマでマックス・フェルスタッペンに勝てるドライバーはF1グリッドの中で数名ほどしか存在しないと主張し、苦戦を強いられている自身を擁護した。

22戦が予定されている2023年シーズンの半分を消化した現時点でペレスは、同じレッドブルRB19を駆るチームメイトに110ポイントもの大差をつけられており、前戦ハンガリーGPを前に今季のタイトル獲得を事実上、断念したと受け止められる発言を口にした。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

レースエンジニアのヒュー・バードとセルジオ・ペレス(レッドブル)、2023年7月21日F1ハンガリーGP初日フリー走行にて

過去11戦での成績差は大きい。フェルスタッペンはポールポジションを7回、そして2回の2位を除いて全てのレースを制しているが、ペレスは予選トップ3と優勝が僅かに2回で、5回に渡って表彰台を逃している。

だがザウバー、マクラーレン、フォース・インディアを渡り歩いてきたベテランのペレスは、自身の母語であるスペインの日刊紙「ムンド・デポルティーボ」とのインタビューの中で、「ドライバーの90%はフェルスタッペンの隣に沈む事になる」と主張し、レッドブルにおけるプレッシャーは他のチームの比ではないと指摘した。

「精神的に強くなければレッドブルにはいられない。ここでのプレッシャーを過小評価すべきじゃない」とペレスは語る。

「レッドブルというのは、悪いセッションを過ごせば5人のドライバー(リザーブとアルファタウリを含めた代替要員)が視界に入ってくるチームだ。 常にメディアからのプレッシャーに晒される。この三年でこんなチームは他に見たことがない」

ダニエル・リカルド離脱後のレッドブルはピエール・ガスリーが僅か半年でトロ・ロッソに降格となり、アレックス・アルボンは1年半でシートを失った。

「フェラーリやアストンマーチン、メルセデスなど、名前が挙げられるチームではどのドライバーも困難な時期を過ごしたけど、それでもレッドブルとは違って何も問題はなかった。ここは調子が悪ければ離れなければならないチームだ」とペレスは続ける。

「いないとは言わないけど、同じマシンでフェルスタッペンに勝てるドライバーは今のグリッドにはほとんど存在しない」

「ソファに座ってレースを見ている人達は、僕らドライバーがセッティングに対してどれほど繊細であるかを過小評価している。楽にドライブできるクルマもあれば、シーズンの途中で手に負えなくなって、かなりのハンドリング修正が必要になるクルマもあるし、そういう場合は必ずしも対応できるわけじゃない」

「そして結局のところ、本当に僅かな違いが本当に大きな差に繋がっていくんだ」

とは言え開幕4戦に関して言えばペレスは2勝を挙げており、シーズンが経るに連れてパフォーマンスが低下してきているように見える。

ペレスは、シーズンを通した開発によってクルマがより「アグレッシブ」になるに連れて、自身のドライビングスタイルから離れていっているように感じると認めつつも、それに対応していくのが「自身の仕事の一部」であるとして「被害者ぶる」つもりはないと強調した。

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