アストンマーチン、三強の牙城崩してメルセデスを脅かす? 警戒するウォルフと目を見張らせるレッドブル
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3日間に渡るF1プレシーズンテストで2番目に注目を集めたチームはアストンマーチンだろう。実際、フェルナンド・アロンソ駆るAMR23のパフォーマンスはメルセデスに警戒を与え、レッドブルを瞠目させた。
セルジオ・ペレスが総合トップタイムを記録し、マックス・フェルスタッペンがコースに出る度に最速を刻むなど、3日間を通して413周を走り込んだレッドブルは間違いなく2023年シーズンの有力候補の筆頭だ。
ではレッドブルの次にパドックの視線を集めたのはどのチームか。レッドブルに迫る走りを見せ、コンテンダーの仲間入りを確実なものとしたフェラーリか、それとも幾らか懸念がありながらも最終日に一歩前に踏み出したメルセデスか。
昨年からの前進という点で何処よりも多くのスポットライトを浴び期待を集めたのはアストンマーチンだろう。メルセデスに対抗できるかも、との声さえ聞こえてくる。
ミッドフィールドの画はトップ3よりも遥かにぼやけてはいるが、ウィリアムズと並び昨年のプレシーズンテストからの改善幅が最も大きかったアストンマーチンへの期待と警戒は注目すべきものがある。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は「彼らは大きな一歩を踏み出したと思う」とアストンマーチンに言及し「マシンのコンセプトが突き詰められたように見える」と続けた。
無論、直接的なライバルとなるのはフェラーリやメルセデスだろうが、ホーナーは「彼らもさほど離れてはいないように見える。特にフェルナンド(アロンソ)は本当に競争力がありそうだ」と付け加えた。
独「Auto Motor und Sport」によるとメルセデスのトト・ウォルフ代表に至っては「我々の計算では、アストンマーチンは2位になる可能性がある」とさえ考えている。
チームに新たに加わった百戦錬磨のアロンソはコースに出るたびに速さを示し、レッドブルとメルセデスの元空力責任者たちが開発に関わったAMR23は、先代からの明らかな進化を感じさせる。
レッドブルRB19を除けば、AMR23は何処よりも路面に張り付くような走りを見せていた。そしてアロンソの操作に対して忠実に反応しているような印象を与えた。
中団をリードどころか3強の一角、メルセデスを喰うことにでもなれば2023年シーズンは昨年以上の盛り上がりとなるだろう。アロンソは今もなお、勝利に対する飢えと飽くなき炎を燃やしている。
キャリアの選択を誤ることで悪名高いアロンソは齢41にして遂に、正しい選択をしたのだろうか。