ファイナルラップでの壮絶なサイド・バイ・サイドを制し、ピエール・ガスリーにF1キャリア初の表彰台を授けたトロロッソ・ホンダの2019年型マシン「STR14」が売りに出されている。

ブラジル・インテルラゴスでのレース。ガスリーは、当時6度のF1ワールドチャンピオンであったルイス・ハミルトン（メルセデス）とファイナルラップまでもつれ込む激しい攻防戦を繰り広げた。数年に一度の手に汗握るレースだった。

両者は最終コーナーで横並びに…よりフレッシュなタイヤを履き、既にチャンピオンシップを決めて失うもののない6度の世界王者相手に、一体誰がガスリーの勝利をイメージ出来ただろうか。

ホンダが与えた強力なエンジンモードは、1000分の62秒差でハミルトンを抑え込む力をガスリーに与えた。チェッカーフラッグを受けたガスリーは、何度も何度も右手の拳を空高く突き上げた。ガスリーは会見の中で、ホンダなくして2位表彰台という結果は「あり得なかった」と強調した。

そんなガスリー本人にこそ自宅ガレージに飾って欲しいメモリアルマシンが、レースカー専門販売サイト「Racecarsdirect」で販売されている。このシャシーナンバー「04」の個体は、まずはアレックス・アルボンがハンガリーGPまでドライブし、レッドブル降格に伴いガスリーがベルギーGP以降引き継いだものだ。現在はオランダで保管されているという。

ガスリー用のシート、完動品のギアボックスを揃えるが、残念ながらエンジンやECUが取り除かれているため買ってそのまますぐに走らせる、という事はできない。仮に搭載されていたとしても、複雑極まるハイブリッド・ターボでは火を入れるのも一苦労だろうが。なお、価格は要問合せとの事で公開されていない。