マクラーレンCEO「前任のロン・デニスであっても、ホンダと手を切っただろう」
マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは、仮に前任のロン・デニスであったとしても自分と同じようにホンダとの契約を解消していたはずだとの見解を示した。英Sky Sportsに出演したブラウンは「彼も同じ決断をした事でしょう」と切り出した。
「ロンは何時だってマクラーレンの利益を最重要視していましたし、同じ立場に留まっていれば同様にマクラーレンの利益を一番に考えた事でしょう。彼はMr.マクラーレンとも言うべき人物です。勝てない事に対して我々と同じくらい激しく憤っていましたよ」
第二期マクラーレン・ホンダを主導したデニス前CEOは、「タイトルを取るためにはワークスエンジンが必要」との信念を持っていたが、2016年末にマンスール・オジェとの政治権力争いに敗れ会社を追われた。
ワークスでなくともレースに勝てることはレッドブルが証明しているが、タイトル獲得に関してはデニスの主張を覆す材料は今のところ皆無だ。F1にハイブリッドターボ・エンジンが導入されて以降、選手権制覇を成し遂げたのはドイツ御三家の大手自動車メーカー・メルセデス以外には存在しない。
決別が正式に発表されたのは9月15日(金)だが、シーズン前のバルセロナテストの段階でマクラーレンは既にホンダを見限っていた。チーム率いるエリック・ブーリエからの”警告”を受けたブラウンら首脳陣は、ホンダとの契約を解消すべく裏工作に走った。
マクラーレンの上級管理職は定期的にホンダ批判を繰り返し、両者の関係が修復不可能であることを印象づけた。あまりのバッシング故に、ブーリエが「メディアが煽っているだけ」と釈明する場面も見られた。
結果、世界中のF1ファンの期待虚しく、マクラーレン・ホンダは僅か3年足らずで空中分解した。タイトル獲得を期待されながらも、優勝はおろか表彰台にすら上がれずコンストラクターズ下位を彷徨った。
だが、ブラウンはマクラーレンとホンダとの関係は素晴らしいものだったと振り返るとともに、将来再びタッグを組む可能性を除外していない。
「ホンダにはとても感謝しています。ホンダは素晴らしい人々のいる素晴らしい会社です。彼らとは終始力強い関係を築いてきましたし、それは今でも変わりません。再び彼らと共にレースをする事もありうるでしょう。ホンダの活躍を祈っていますが、我々としては利益を考え辛い決断を下す必要があったのです」
「皆さんが思っているよりも彼らとの関係は強固でした。共に頑張ってきましたが最終的に上手くいきませんでした。でも、お互いに怒鳴り合うようなことはありませんでしたよ。日本ではバーベキューをし、アブダビではシャンパンで乾杯しこの関係を終えました」