松下信治、F1ハンガリーテスト最下位も「予選アタックは行わなかった」タイム改善の余地を示唆
F1ハンガリーテストにザウバーから参加し、トップのセバスチャン・ベッテルから4.8秒遅れの最下位に終わった松下信治は、チームからは予選アタックの走行チャンスは与えられず、全開でのラップタイム計測は行わなかった事を明らかにした。
「F1最高です。レース人生で一番走りまくりました。そして、F1の超グリップに感動。残念ながら、僕の予選アタックはありませんでしたが、全力で楽しめました。今日がF1に向けての1つのステップとなるように夏休み後のスパからまた頑張ります!」
今回のテストで松下が記録した1分21秒998は、燃料を多く搭載した状態でのタイムと考えられる。1周のみの最速タイムを目指す予選アタックは、搭載燃料を最小限に抑えて行われるため、松下のタイムには多くの伸びしろがあるものと推測される。
同じ会場で行われた先月30日(日)のF1第11戦ハンガリーGP決勝のファステスト・ラップは、マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソが記録した1分20秒182、松下と同じマシンに乗るザウバーのパスカル・ウェーレインが記録したファステストは1分23秒573であった。
今回初めてF1マシンに乗った松下は、F2マシンとのダウンフォースの差に驚いたと興奮ながらに感想を述べた。松下は今年ARTグランプリからF2シリーズに参戦、テスト直前に開催されたF2第7戦ハンガリーの決勝レース2で今季2勝目を挙げランキング6位につけている。
コーナリング速度が桁違いの今季F1マシンでハンガロリンクを121周、1日で500km以上の距離を走ったため、テスト翌日には首と背中の酷い筋肉痛に襲われたという。日本人F1ドライバーへの夢にまた一歩近づいた松下信治の今後に注目したい。