マリーナベイ市街地コースをインターミディエイトタイヤで走行するニコ・ヒュルケンベルグのアウディR26、2026年10月10日(土) F1シンガポールGPスプリント
Courtesy Of Audi

ヒュルケンベルグ、妨害認定も「異例の酌量事情」で降格回避。両チームを誤認させた計時情報/F1シンガポールGP

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ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)は、2026年F1第17戦シンガポールGPの予選でカルロス・サインツ(ウィリアムズ)を「不必要に妨害」したと認定されたものの、グリッド降格を免れた。この決定の背景には、スチュワードが「異例の酌量事情」と呼ぶ要因があった。

10月10日(土)、マリーナベイ市街地コースで行われた予選のQ2終盤、ヒュルケンベルグはクールダウンラップ中にターン5に向けてレーシングライン上を走行していた。その結果、後方から接近したサインツは最後のアタックを中止せざるを得ず、14番手で敗退した。

聴取では、ヒュルケンベルグがサインツを妨害したかどうかが争われることはなかった。当事者はいずれも、妨害の事実は疑いないと認めた。争点となったのは、この妨害が規則上許容されないものに該当するかどうかだった。

妨害に繋がった参照データの不整合

聴取でアウディ側は、公式計時プロバイダーを情報源として提供されていた別途の契約サービスのデータを基に、サインツがすでにチェッカーを受けたと判断し、その情報をヒュルケンベルグに無線で伝えたと説明した。

つまり、アウディとヒュルケンベルグは、接近してくるサインツはアタック中ではなく、ピットへと戻る途中のインラップ中だと認識していた。

スチュワードは、情報源が公式計時プロバイダーであることから、そのデータを基にチームがそう判断したことには合理性があったと認めた。サインツの無線通信からも、ウィリアムズが同じデータを頼りに、同様の誤認をしていたことが確認された。

「異例の酌量事情」で処分なし

チームが受け取った情報は当初、最新の状況を反映したものではなく、短時間が経過した後に正しいデータが表示されていたことが判明した。

だが、その時点でサインツはすでにヒュルケンベルグの後方に到達しており、アウディにはヒュルケンベルグに伝えた情報を訂正するだけの十分な時間がなかった。

アウディは当時、オリジナルの公式計時データも利用できる状況にあった。それでもスチュワードは、参照した情報の出所が公式計時プロバイダーであった以上、そのデータを信頼したこと自体は合理的だったと判断した。

そのうえで、走行妨害があったと認定しつつも、一時的に整合性を欠いていたデータが今回の一件を招いたとして、これを「異例の酌量事情」とし、ヒュルケンベルグにペナルティを科さなかった。

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