酷暑だけでなく雨にも警戒。F1バーレーンGPに今季3度目のヒートハザード宣言、セパンは不安定な週末へ

  • Published:
  • Googleで優先するソースとして追加する

国際自動車連盟(FIA)は、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われる2026年F1第16戦バーレーンGPに向けて、ヒートハザード宣言を発令した。今シーズンとしては第8戦オーストリアGP、第13戦イタリアGPに続く3度目の宣言となる。

これに伴い、各マシンにはドライバー用冷却装置の搭載が義務付けられる。一方、冷却ベストを着用するかどうかはドライバーの選択に委ねられる。

F1は今週末、中東紛争により当初の4月開催を延期したバーレーンGPを実施するため、マレーシアに舞台を移す。週末には、バーレーンに関連した複数の催しも計画されている。バーレーンGPは10月2日(金)に開幕し、4日(日)に決勝が行われる。

決勝当日の暑さ指数は35℃、週末は雨の可能性も

首都クアラルンプール近郊のセパンは赤道に近く、ドライバーへの身体的負担が大きいコースとして知られる。決勝当日は最高気温31℃の予報だが、湿度を考慮した体感的な暑さを示す暑さ指数(Heat Index)は35℃程度に達する見込みだ。

週末を通じて高温多湿の天候が続く見通しで、イベント初日となる2日(金)は、最高気温32℃、暑さ指数は最大37℃となっている。一方で3日間を通して雨が降る可能性があり、初日金曜の降水確率は50%と予想されている。

予選が行われる3日(土)は最高気温32℃、湿度86%が見込まれており、暑さ指数は約36℃で、降水確率は40%。決勝当日の降水確率は30%となっている。

路面温度も金曜と土曜には53~54℃程度、日曜には46℃まで上がる可能性があり、タイヤの性能に影響を及ぼすことが予想される。

ヒートハザード宣言、冷却装置は搭載必須

F1レギュレーションでは、公式気象サービスがスプリントまたは決勝中に暑さ指数が31.0℃を超えると予測した場合や、レースディレクターの判断によってヒートハザードを宣言できると定められている。この規則は2025年に初めて導入された。

ヒートハザードが宣言された場合、レース開始に向けて冷却装置を作動可能な状態でマシンに搭載し、ドライバーが使用できるようにしておく必要がある。冷却ベストを使用しない場合も、冷却媒体を含む他の構成部品はマシンに搭載しなければならない。

ベストを着用しないドライバーのマシンには、装備の重量差を補うため、コックピット内に0.5kgのバラストを取り付けなければならない。なお、着用の有無にかかわらず、マシンの最低重量は5kg引き上げられる。

40℃超のコックピット、冷却持続性に課題も

循環チューブを備えた冷却ベストを着用するシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年F1シンガポールGPCourtesy Of Ferrari S.p.A.

循環チューブを備えた冷却ベストを着用するシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年F1シンガポールGP

冷却ベストは、レーシングスーツの下に着用する耐火性の衣服に組み込まれた管に、冷やしたグリコール系の液体などを循環させる仕組みとなっている。

一方、一部のドライバーは装着時の不快感から使用を避けている。レース終了まで冷却効果が持続しない問題もあり、その場合、循環する液体は外気温を大きく上回るコックピット内の温度まで温まってしまう。

路面との距離が近いF1マシンのコックピット内部は、40℃を超えることも珍しくない。加えてドライバーは耐火性の衣服を何層も重ね、そのうえにバラクラバとヘルメットを着用しており、このような環境下でのレースでは、僅か90分ほどの間に体重が3~5kg失われることもある。

F1バーレーンGP特集