
レッドブル、F1ベルギーGPで「マカレナ・ウイング」を封印…フェルスタッペン2戦連続クラッシュを受け
マックス・フェルスタッペンが直近2戦で高速クラッシュを喫したことを受け、レッドブル・レーシングは2026年F1第10戦ベルギーGPに向け、「マカレナ・ウイング」を封印し、従来型のリアウイングに戻す決断を下した。
直近2戦の高速クラッシュで安全策へ
フェルスタッペンにとって、この2戦は苛立ちを抑えきれない悪夢のような展開となった。
オーストリアGPの予選では、ポールポジションを争う最中、高速でバリアに突っ込むという王者らしからぬクラッシュを喫した。その1週間後のシルバーストンでも同様のクラッシュを喫し、表彰台を視野に入れながらもリタイヤを余儀なくされた。
2度のクラッシュには共通点があった。いずれも、コーナーへの進入時にストレートモードが解除される際、リアウイングが適切に閉じず、リア側のダウンフォースが失われていた。
イギリスGPでのクラッシュを受け、フェルスタッペンは「とんでもなく危険だ。2度も大怪我をする可能性があった」と厳しく批判した。
マカレナ・ウイングの独特な反転機構
一連のクラッシュの背景には、独特なリアウイングの機構がある。フェラーリが先鞭をつけた、上下が反転するこの特殊なウイングは「マカレナ・ウイング」などと呼ばれている。
多くのチームは、2011年から2025年まで使われた追い抜き支援システム(DRS)に似た設計のウイングを用いている。リアウイングの上側のフラップが、前縁側から数度だけ上向きに開く方式だ。
これに対してレッドブルとフェラーリは、ウイングを180度近く回転させることで、より大きな空気抵抗の低減と、より高いトップスピードを追求してきた。
両者のシステムは似ているが、ウイングが回転する方向は異なる。
レッドブルのウイングは、前縁が下向きに回転しながら上下が逆さまになるように開く。一方、フェラーリのウイングは、前縁が上向きに回転した後に反転する。
速さを犠牲に従来型ウイングに回帰
従来型のリアウイングへの回帰は、ドラッグ低減という武器を手放すことを意味する。
とりわけスパ・フランコルシャンは、エネルギーマネジメントが厳しいコースとして知られ、マカレナ・ウイングの価値は大きい。それでもレッドブルは、安全を優先した。
一方、同じマカレナ・ウイングを使うフェラーリでは、これまで大きな問題は起きておらず、スパでも使用を継続するものとみられる。
今回の措置が恒久的なものかどうかは、現時点では不透明だ。フェルスタッペンはベルギーGPのメディアデーで、問題が解決されれば再びマカレナ・ウイングを使用する可能性を示唆した。