
フェルスタッペン大型トレード説の実態、ピアストリ代理人が放った「数多くの作り話」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)のトレード移籍をめぐる憶測が過熱する状況を受け、ピアストリのマネージャーを務めるマーク・ウェバーが、「数多くの作り話が書き立てられている」と全面的に否定した。
かつてF1ドライバーとして通算9勝を挙げたウェバーは、アメリカのモータースポーツ専門メディア『RACER』に対し、ピアストリがマクラーレンを去ろうとしているとの見方を退けた。
「オスカーは当面の間、マクラーレンと契約を交わしている。彼がチームを去ろうと画策しているという話はナンセンスだ」
「彼と他チームをめぐっては、多くの作り話が書き立てられてきた。マクラーレンはオスカーを長期的に必要としていると繰り返し述べており、オスカー自身もそこに集中している」
きっかけは非公式協議、首脳陣ら移籍全否定
Courtesy Of McLaren
レース前グリッドでマネージャーのマーク・ウェバーと話をするオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2025年12月7日F1アブダビGP決勝レース(ヤス・マリーナ・サーキット)
一連の憶測は、フェルスタッペンのマネジメント陣が移籍の可能性を探るためにマクラーレンと非公式な協議を行った、という報道を皮切りに再燃した。
この報道自体は確度が高いものの、トップチームとトップドライバーのマネジメントが将来的な選択肢を検討するうえで話し合いの場を設けるのは、ごく一般的であり、これだけをもって移籍が本格的に検討されていると断定できるものではない。
ピアストリはマクラーレンと複数年契約を結んでおり、その契約は少なくとも2028年末まで続く。チームメイトのランド・ノリスも、同様に複数年契約を締結している。
そのためフェルスタッペンがマクラーレンに移籍するためには、ピアストリかノリスのいずれかがシートを明け渡す必要があり、その前提に立って憶測にさらされてきたのがピアストリだった。
一部では、ピアストリの契約にはドライバーズ選手権の上位5位以内に入れない場合、マクラーレンを離脱できる条項が含まれているという、現時点では真偽が不確かな噂も報じられている。
ピアストリがレッドブルに移籍する可能性があるとの憶測については、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラやCEOのザク・ブラウンが全面的に否定しており、ピアストリ自身も第9戦イギリスGPの週末に、自身の立場を明確にしていた。
「僕には契約があるし、チームは何度も僕に対して、非常に満足していると伝えてくれている。僕自身もこのチームに大いに満足している」とピアストリは語った。
状況的要因で過熱する憶測、10月まで継続か
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ガレージ内でエンジニアとデータを確認するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2026年7月4日(土) F1イギリスGP予選(シルバーストーン・サーキット)
広く報じられているところによれば、フェルスタッペンの契約には、サマーブレイク時点でドライバーズ選手権の上位2位以内にいなければチームを離脱できる解除条項が含まれているとされ、現時点で発動条件が100%満たされる状況となっている。
こうした事情を背景に、単なる状況的要因を移籍話と結びつける報道が一部で多発しており、中には、不確かな憶測をあたかも事実であるかのように断定調で伝えるものも見受けられる。
例えばそれは、RB22のリアウイングの不具合が原因で2戦連続のクラッシュを喫したことや、イギリスGPの決勝に向けたパルクフェルメ下でのセットアップ変更に関する要望など、チームが複数回にわたってフェルスタッペンの意向に取り合わなかったことが含まれる。
また、担当レースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼがマクラーレン移籍に備えて早くも一部の重要な技術的会合から外されているという観測や、レッドブルGmbH上層部がフェルスタッペンに不満を抱いているとの噂など、あらゆる状況が、それと直接的な関係が明らかになっていない移籍話と結びつけられている。
フェルスタッペンの名が取り沙汰されること自体は、レッドブルをめぐる現在の状況や、彼の実績を考えれば自然といえる。また、フェルスタッペンが今季末を以てレッドブルを去らないという保証もない。
ただ、少なくとも現時点では、来季に向けてマクラーレンに移籍する可能性は極めて低いようにみえる。
なお、一連の憶測報道は秋まで続くことが予想される。それは、フェルスタッペンが解除条項を実際に利用する場合、10月までにチーム側にその旨を伝える必要があると理解されているためだ。これは裏を返せば、フェルスタッペンには10月までに決断を下さなければならない理由がほとんどないということを意味する。