
佐藤琢磨、一発逆転の”賭け”も「もう届かなかった」ペース不足と終盤リスタートに泣いた17回目のインディ500
通算17回目の挑戦となった2026年の第110回インディ500を10位で終えた佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、レース後に悔しさをにじませた。3度目の制覇を狙った一戦は、本人の目標とは裏腹に、順位を落とす展開となった。
「残念ながら10位でフィニッシュすることになりました。悔しいです。スタートから、もちろん順位を上げていくことを目標に頑張っていたんですけど、逆に順位を落としていく形になりました」と佐藤は振り返る。
ピットストップでの調整によって、マシンのスピード自体は回復した。だが、それでも上位争いに加わるには力が及ばなかった。
「だいぶクルマ自体はスピードを取り戻したと思うんですけど、トップ争いには程遠いくらい、パフォーマンスが下がっていたかなと思います」
賭けに出た作戦、一時は上位に浮上
Courtesy Of Penske Entertainment
エリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク)を追う佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、2026年5月24日(日) 第110回インディ500決勝(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)
中団から抜け出せない状況の中、佐藤とチームは勝負に出た。残り70周を迎えたところで、リスクを取る作戦を選んだのだ。
「自分たちはある意味、自力で上に上がっていくことが難しそうだったので、賭けに出て、1回のピットストップで乗り切る作戦を選びました」
「それが功を奏して8位まで上がったんですけど、最後にリスタートが2回あって、そのうちの1回がグリーンになる前に、後続のマシンが抜きにかかってきて。僕はチェックアップがあってブレーキを踏んだりして、それで11位まで落ちてしまったんですよね。悔しかったです」
「最後の1周では、一応順位をひとつ上げたんですけど、もう届かなかったです」
一度はポジションを押し上げたものの、最終盤の度重なるリスタートの中でチャンスは奪われた。一つ順位を取り戻すのが、佐藤に残された精一杯だった。
スポット参戦の厳しさ、支えへの感謝
佐藤は今回、フルシーズンではなく、インディ500のみのスポット参戦という厳しい条件で臨んでいた。限られた準備と体制の中での戦いを、佐藤はチームとクルー、そして支えてくれた人々への思いとともに締めくくった。
「ショートプログラムという非常に厳しい環境の中で、75号車のクルーもみんな本当に頑張ってくれましたし、チームも本当にバックアップしてくれました。自分たちとしては、予選がうまくいかなかった時点で本当に悔しかったですけど、レースで応援してくださった皆さん、それからこのプロジェクトを可能にしてくれたスポンサーの皆さんに、いい形でお礼ができなかったのがとても心残りです」
それでも、佐藤の視線は次に向いていた。
「自分も全力で頑張りましたし、これからチームと一緒にたくさんの反省点を克服して、この先もチャレンジしていけるように頑張っていきたいなと思います。皆さん、たくさんの応援を本当にありがとうございました」