F1圧縮比論争が再び急転、FIA案撤回で「新2段階方式」承認へ

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決着が間近とみられていた2026年型F1パワーユニット(PU)の圧縮比を巡る論争が、再び動きを見せた。国際自動車連盟(FIA)が2月18日のF1コミッションで提示した規定変更案が、早くも修正された模様だ。

前倒し+2段階方式の修正案

当初の案は、2026年8月1日から圧縮比を冷間時だけでなく、130℃の温間状態でも測定するという内容だった。しかしながら、ドイツの専門メディア『Motorsport-Magazin』が関係者の話として伝えたところによれば、この案は撤回された。新たな妥協案が投票にかけられ、近く承認される見通しだという。

新案では、施行日が8月1日から6月1日に前倒しされる。さらに2026年シーズンの残り期間は冷間と温間の両条件で測定を行い、2027年以降は温間のみの測定に一本化する2段階方式が採用される見込みとされる。

期限が前倒しされるだけでなく、2027年以降は温間時のみの測定に一本化される点で、ライバル陣営にとって新案は歓迎すべき内容となる可能性がある。冷間と温間の両条件での測定が継続された場合、メルセデスの優位性は消滅こそしないまでも、一定程度の縮小にとどまるとの見方が強い。だが、温間のみとなれば、その優位が完全に失われる可能性もある。

規定改正を巡る一連の議論の背景には、メルセデスがICE(内燃エンジン)開発で見いだしたとされる手法を事実上封じたいとのライバル陣営の思惑があるとみられている。協議を経てFIAが規則変更案を提示するに至ったが、ライバル勢は冷間と温間の両条件で測定する点に不満を示したようだ。

一部メーカーは「温間時のみの測定」を求めているとされる。仮に温間時のみの測定に変更された場合、理論上は冷間時に16対1を超える設定とし、実際の稼働時には制限値内に収める設計も可能となる。

圧縮比論争が正式決着、改正を前倒し

高圧縮比を維持するメルセデス製PU

2026年の新たな規則では、圧縮比の上限が16対1に制限されている。金属は熱によって膨張するため、エンジンが高温になると内部部品がわずかに広がり、燃焼室の体積が変化する。その結果、圧縮比は低下する。常温下で上限値ぎりぎりに設計されたエンジンも、実際の高温稼働時には15.2対1前後まで下がるのが一般的とされる。

だが、メルセデス製PUは稼働時でも16.3対1前後の高い圧縮比を維持できるとの見方がある。仮に事実であれば、毎時3,000メガジュールというエネルギー流量制限下でも他社より大きな出力を得られる可能性がある。

メルセデスのチーム代表トト・ウォルフは、この手法によるアドバンテージは極めて小さいと主張している。だが、ライバル陣営、とりわけレッドブルはこれに異を唱えているとされる。