
アダーミ異動へ…フェラーリF1、ハミルトンの2026年レースエンジニアを変更。不協和音の初年度を経て
スクーデリア・フェラーリは1月16日、2026年シーズンに向けてルイス・ハミルトンのレースエンジニア体制を変更すると発表した。2025年に7度のF1王者の担当レースエンジニアを務めていたリカルド・アダーミは、チーム内の別の職務へ異動する。
フェラーリの公式声明によれば、アダーミは今後、スクーデリア・フェラーリ・ドライバー・アカデミーおよび旧型車テスト(TPC)のマネージャーとして、引き続き組織内で重要な役割を担う。チームは、これまでのトラックサイドでの貢献に感謝し、新たな役職での活躍に期待を寄せた。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
レースエンジニアを務めるリカルド・アダーミとカルロス・サインツ(フェラーリ)、2024年F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)
無線に現れた不協和音とキャリア初の屈辱
今月7日に41歳となったハミルトンにとって、フェラーリでの初年度となった2025年は、キャリアで最も過酷な一年だった。F1での長い競技生活において、一度も表彰台に上がれなかったのは昨シーズンが初めてだった。
シーズン中、無線を通じたアダーミとのやり取りは、しばしば注目を集めた。判断の遅れや意図が伝わりにくい場面があり、外部からは関係性を疑問視する声も上がった。一方でハミルトン本人は、不満や混乱を露わにしつつも一貫して「問題はない」と主張し、レース中の会話が過剰に解釈されているとの認識を示してきた。
それでも、マイアミGPでのポジション入れ替え判断を巡る不満や、モナコGP後の無線を巡る行き違いなど、象徴的な場面が積み重なったのも事実だ。これらについてフェラーリ側は、通信条件や状況要因を挙げ、偶発的な混乱に過ぎないと説明してきた。
シーズン終盤にはQ1敗退が続くなど、結果面での苦戦も重なった。チームは冬の間に包括的なレビューを実施し、その流れの中で、2026年に向けた体制見直しの一環として、レースエンジニア変更という判断に至ったとみられる。
フェラーリは声明の中で、ハミルトンの新たなレースエンジニアについては、適切な時期に発表するとしており、現時点で後任は明らかにされていない。
copyright FORMULA 1
16番手で4連続Q1敗退を喫した予選を経てインタビューに応じるルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2025年12月6日(土) F1アブダビGP(ヤス・マリーナ・サーキット)
2026年シーズンは、エンジンとシャシーの双方が刷新される新たな技術規則が導入される特別な年となる。このため、例年より多い3回のプレシーズンテストが予定されており、準備段階の重要性はこれまで以上に高い。
フェラーリは1月23日に2026年仕様のリバリーを公開する予定で、1月26日から30日にかけてはバルセロナで最初のテストが非公開で行われる。ハミルトンとフェラーリにとって、今回の人事変更は新たな時代に向けた修正点の一つであり、その成否は新体制が実戦で機能するかどうかによって評価されることになる。