
わずか0.012秒の明暗―角田裕毅、悔しさの中にも「良い兆候」Q3届かずもマックスに肉薄
角田裕毅(レッドブル)は2025年F1第20戦メキシコGP予選で、痛恨のQ2敗退を喫した。Q3進出まであと0.012秒──100分の1秒という紙一重の差で11番手に終わり失望を滲ませたが、週末を通じてチームメイトのマックス・フェルスタッペンに肉薄している状況を「良い兆し」と前向きに評価した。
一切のミスが許されない僅差の争いに
Q1の1回目のアタックでは、フェルスタッペンから0.363秒遅れの16番手とやや出遅れた。だが、トラフィックを避ける判断からか、路面の急速な改善を承知の上で残り5分という早い段階で2セット目のソフトタイヤを投入する。
最終セクターでは自己ベストを更新できなかったものの、ラップ全体で初回を上回り、13番手でQ2進出。フェルスタッペンとの差を0.158秒にまで縮めた。
Q2では1回目のアタックでフェルスタッペンに0.195秒差の6番手と好位置につけたが、最終アタックではセクター1でわずかにタイムを落とした。結果、10番手に浮上したものの、その後オスカー・ピアストリ(マクラーレン)に蹴落とされ、10番手通過のアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)に0.012秒届かず、惜しくも11番手に終わった。一方でフェルスタッペンとの差は0.211秒にとどめた。
Q2は、8番手通過のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)から12番手エステバン・オコン(ハース)までの5台が、わずか0.064秒の中にひしめく大混戦。角田のQ3進出は、ほんのわずかな違いによって阻まれた。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
11番手に終わった予選を経てピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)の後ろ姿、2025年10月25日(土) F1メキシコGP(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
角田、悔しさの中にも「良い兆候」
予選後の角田は、深くため息をつくなど明らかに落胆した様子であったが、同時に前向きな点を指摘した。
「かなりの僅差でした…。少なくともタイム差という点では、チームメイトにかなり接近できたので、その点は良い兆しだと思います。ただ、わずか100分の数秒差でQ3を逃してしまい残念です」
初日プラクティスを終えた段階で「ショートランとロングランのバランスを取るのが課題」と語っていた角田。週末を通じて改善を重ねてきた手応えは確かにあるようだ。
「改善できたと思いますし、セッションごとに全体として一貫性のあるパフォーマンスを発揮できたのは良い兆候です。ただ、今日はQ3に進むには少しペースが足りませんでした」
さらに角田は、個人的な課題だけでなく、チーム全体の状況にも言及した。
「また、チーム全体としても、少なくともQ2までは予想より少し苦戦したように感じます」
角田とは異なり新型フロアを使うフェルスタッペンをして、Q3進出こそ果たしたものの、ポールポジションを獲得したランド・ノリス(マクラーレン)には0.484秒もの遅れを取り、最終的に5番手に甘んじた。チームとしても厳しい状況に置かれていたことは確かだ。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブルRB21をドライブする角田裕毅、2025年10月25日(土) F1メキシコGP予選(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
入賞圏内からのスタート、鍵はオープニングラップ
カルロス・サインツ(ウィリアムズ)が5グリッド降格ペナルティを受けるため、角田はポイント圏内10番手から決勝レースに臨む。来季シート獲得に向けては、ポイント獲得が強く求められる状況だ。
フェルスタッペンをして”ポジションキープ”の厳しいレースを覚悟する中、角田としてはオープニングラップで、9番手オリバー・ベアマン(ハース)と8番手ハジャーを攻略できるかどうかが、レースの流れを大きく左右するだろう。
1.2kmのロングストレートを持つエルマノス・ロドリゲス・サーキットは比較的オーバーテイクが容易なコースだが、今季は1ストップレースが常態化している。ゆえに、例年波乱が生じる1周目のターン1は決定的な意味を持ちうる。
0.012秒という僅差でQ3を逃した悔しさを、決勝でのポイント獲得で晴らすことができるか。角田裕毅の巻き返しに期待がかかる。
2025年F1メキシコGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はシャルル・ルクレール、3番手はルイス・ハミルトンとフェラーリ勢が続く結果となった。
決勝レースは日本時間10月27日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周4304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。