プラクティス前にパドックで電話をするクリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)、2025年6月27日(金) F1オーストリアGP(レッドブル・リンク)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

クリスチャン・ホーナー、三桁億円を請求か?解任劇の裏でレッドブルとの“契約バトル”が本格化へ

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レッドブル・レーシングのチーム代表兼CEOを解任されたクリスチャン・ホーナーが、日本円にして100億円超という巨額の補償金を手にする可能性が取り沙汰されている。F1界を揺るがせた衝撃的な決定を経て、今後は契約上の補償を巡る攻防が本格化すると見られている。

ホーナーはレッドブルと2030年末までの長期契約を締結しており、約5年半の契約期間を残していたとされるが、レッドブルは7月9日にその解任を発表。形式上は依然として同社の雇用下にあるものの、実態としては事実上の解雇と見なされている。

英紙『テレグラフ』によれば、ホーナーの2023年の年収は892万ポンド(約17億円)で、前年の804万ポンドを上回る額だったとされる。F1チーム代表としてはグリッド上で最高額と見られており、マックス・フェルスタッペンが4連覇を達成した2024年には、さらに多額の報酬が支払われたと推定されている。

これらの条件から算出される契約満了までの報酬総額は、およそ5,000万〜6,000万ポンド(約99億〜119億円)に達するとされ、ホーナー側の法務チームは、その全額の支払いをレッドブル側に求める構えだと見られている。

一方、レッドブル側はこれに対して対抗姿勢を取ると見られており、全額支払いには応じない方針であると考えられている。その根拠として挙げられているのが、ホーナーが今後も他のF1チームで役職に就く可能性を否定できない点だ。「就業の可能性がある以上、損害補償の全額支払いは不要」と主張する可能性が指摘されている。

2005年にレッドブル・レーシングのチーム代表に就任したホーナーは、以後20年にわたりチームを率い、8度のドライバーズタイトル、6度のコンストラクターズタイトル、通算124勝という圧倒的な戦績を築き上げた。

2024年初頭には、女性従業員からセクシャル・ハラスメントを含む不適切行為の疑惑が持ち上がり、2度にわたる調査が実施されたが、いずれもホーナーの潔白が証明された。

こうした経緯から、F1パドックではホーナーが再び何らかの形でF1に復帰するのは時間の問題との見方が強く、今後の動向に注目が集まっている。