ガレージ内で話をするローラン・メキーズ(RBフォーミュラ1 チーム代表)と角田裕毅、2024年10月18日(金) F1アメリカGPフリー走行&スプリント予選(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

誰もが角田裕毅を欲しがるはず—メキーズ代表が見据える”光景”、F1移籍市場の注目株に?

  • Published:

レーシング・ブルズのチーム代表ローラン・メキーズは、角田裕毅の成長に強い期待を寄せている。2024年シーズンで大きく成長した角田裕毅が、今年も同様の進化を遂げれば、「誰もが彼を欲しがるだろう」と語った。

昨シーズン終了後、レッドブル首脳陣はセルジオ・ペレスの後任として、F1で4年の経験を持ち、チームメイト3人をコース上で凌駕してきた角田裕毅ではなく、F1キャリアわずか6戦のリアム・ローソンを選択した。

この決定により、角田裕毅のシニアチーム昇格の道は閉ざされ、2026年に向けてキャリアの重要な分岐点を迎えることとなった。すでに多くのチームがドライバーラインナップを確定しており、移籍の選択肢は大幅に限られている。

記者会見で様子をうかがうローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、アイザック・ハジャー、角田裕毅、2025年2月18日(火) F1 75 Live(インターコンチネンタル・ロンドンO2)Courtesy Of Red Bull Content Pool

記者会見で様子をうかがうローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ代表)、アイザック・ハジャー、角田裕毅、2025年2月18日(火) F1 75 Live(インターコンチネンタル・ロンドンO2)

だがメキーズは、角田裕毅がドライバーズ・マーケットで高い評価を受ける存在になれると信じている。

「我々は誰もがユーキを愛している。そして、それには理由がある。昨年、彼は驚くべき成長を遂げた。もし今年も同じような飛躍をすれば、誰もが彼を欲しがるだろう」とメキーズはプレシーズンテストの舞台、バーレーンで語った。

角田裕毅は今なおシニアチームのシートをターゲットに据えているが、そのためにはさらなるパフォーマンス向上が不可欠だ。

メキーズもこの点を指摘し、「彼はもちろん今もレッドブルのシートを狙い続けている。そのために必要なのは、彼自身も理解しているように、昨年以上に速くなることだ。360度の成長を遂げれば、道は開ける。彼ならそれができるはずだ」とコメントした。

ピットウォールからガレージを見守るローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ チーム代表)、2025年2月26日(水) F1プレシーズンテスト1日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ピットウォールからガレージを見守るローラン・メキーズ(レーシング・ブルズ チーム代表)、2025年2月26日(水) F1プレシーズンテスト1日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)

レーシング・ブルズ側も、角田裕毅が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることに尽力している。

メキーズは「我々には、彼を取り巻く環境を整え、成果を上げられるように適切な雰囲気を作る責任がある」とした上で、昨年の終わりの苦い経験に触れ、「彼はそれをしっかりと受け止めて糧とした。その経験から今や彼は、より高い意欲とともに、我々のチームリーダーとなった」と付け加えた。

バーレーン・インターナショナル・サーキットでレーシング・ブルズVCARB 02をドライブする角田裕毅、2025年2月26日(水) F1プレシーズンテスト1日目Courtesy Of Red Bull Content Pool

バーレーン・インターナショナル・サーキットでレーシング・ブルズVCARB 02をドライブする角田裕毅、2025年2月26日(水) F1プレシーズンテスト1日目

角田裕毅のレッドブル昇格が見送られた決定については、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーが疑問を投げかけている。シュタイナーはレッドブルがローソンを選んだ判断は誤りであり、角田裕毅には少なくとも1年間のチャンスが与えられるべきだったと考えている。

「完璧な選択だったとは思わない」とシュタイナーはGPblogのインタビューで語り、「すべてが妥協の結果だ。私としては(角田に)チャンスを与えるべきだったと思う。1年間、彼をレッドブルのマシンに乗せて、そのパフォーマンスを見て判断すればよかったのではないか」と主張した。

さらに、角田裕毅が再びレーシング・ブルズに留まることになった点についても言及し、モチベーション維持の難しさを指摘した。

「彼が十分でなければ、そこから判断すればいい。だが、彼は再びレーシング・ブルズに留まることになった。これはモチベーションの面でも厳しい状況だろう」