アルピーヌF1:鬼才ニューウェイを逃した理由、サインツ契約不成立の背景
アルピーヌF1チームのエグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレが、カルロス・サインツやエイドリアン・ニューウェイとの契約が実現しなかった理由について説明した。
2024年シーズンにおいて最も注目を集めたフリーエージェントであるサインツは、アルピーヌやアウディといったワークスチームを含む複数と契約交渉を行ったが、最終的にはオプション付きの2年契約でウィリアムズと合意に至った。
ブリアトーレは独Auto Motor und Sportとのインタビューで、サインツと交渉の席を持ったことを認めたうえで、長期契約を求めるアルピーヌ側と、将来的にトップチームのシートが空く可能性に備え契約期間を短く抑えたいとするサインツ側の意向が一致せず、合意に至らなかったと説明した。
「彼は我々にとって非常に興味深い選択肢だったが、それは最低でも4年間の契約が前提だった」とブリアトーレは語った。
「一方で、1年や2年の短期契約では意味がない。彼が我々のプログラムを信じるかどうか、それが鍵だった」
「私は、多額の報酬を要求するドライバーや、常に他チームへの移籍を考えているような人物を必要としていない」
エンストンを拠点とするチームの復権を目指す中で、ブリアトーレは人材の重要性を強調した。しかし、空力設計の鬼才として知られるエイドリアン・ニューウェイが市場に出た際、なぜ彼をチームに迎え入れなかったのだろうか。
ニューウェイについてブリアトーレは、その才能を高く評価し、「アーティスト」と評する一方、彼の才能を最大限に活かすには、アルピーヌ側の準備が整っていなかったと説明した。
「それは彼自身に聞くべきだ。エイドリアンはアーティストのような存在だ」とブリアトーレは語った。
「彼のような人物を迎え入れるには、彼を支える適切なチーム体制が必要だ。現在の我々にはそれが不足している。おそらく、2~3年後には準備が整うだろう。だが、現時点ではその条件を満たしていないため、私は彼と真剣に交渉することはなかった」