ノリスに暗雲「あまり良くない」マクラーレン、新型フロア投入もF1メキシコGPでフェラーリに出遅れ
新型フロアを含むアップグレードが投じられたにも拘わらず、マクラーレンはF1メキシコGPの金曜フリー走行で、期待に応える結果を出せず苦戦した。
高地エルマノス・ロドリゲス・サーキットでMCL38には、全面改訂されたフロアボディと、このコース特有の厳しい冷却要件に合わせたエンジンカバー及び冷却ルーバーが投入された。
初日金曜のプラクティスでマクラーレンは一度もタイムシートのトップに立てず、FP1ではジョージ・ラッセル(メルセデス)が、FP2ではカルロス・サインツ(フェラーリ)が最速を刻んだ。
オスカー・ピアストリはピレリのタイヤテストを兼ねたFP2で、サインツに0.178秒差の2番手に食い込んだが、使用していたのは旧型のフロアで、新型を使ったノリスは5番手に留まった。
あまり良くない、とノリス
セッションを総括するよう求められたノリスは「んー、あまり良くないね」と苦笑いを浮かべ、FP1をパトリシオ・オワードに譲ったことに触れて、「周回数もみんなと比べて少ないし、遅れを取っている状況だ」と振り返った。
空気密度が低いメキシコ特有の低グリップにも言及し、「良いフィーリングを得るのが兎に角、難しかった」と語った。
新型フロアについては、「比較テストができたのは良かったけど、それほど大した違いはないよ」と、やや失望気味に返した。
「オスカーの方は速かった」としてノリスは、現時点でチームメイトに遅れをとっていると指摘し、「僕の方はやるべき仕事がある状況だ」と付け加えた。
タイム的に言えば、ノリスとピアストリの差はわずか0.071秒に過ぎず、ロングランでも約8周の平均ではほとんど差がないが、クルマの感触についての両者のコメントは対照的だった。
FP2を経てピアストリは、FP1ではクルマが少し「扱いにくかった」としつつも、FP2に向けてセットアップを改善したことでハンドリングは「良い状態にある」と評価した。
また、メキシコでの状況をアメリカGPになぞらえて、「クルマに対する自信がまた持てていない」と明かす一方、「FP2に向けて上手く前に進めたと思うから、その点に関しては心強い」と前向きな姿勢を示した。
前戦アメリカGPでマクラーレンは、ポールポジションを獲得しながらも、レースでフェラーリに1-2フィニッシュを許した。
ピアストリは現時点で、フェラーリがマクラーレンに先行していると考えている。
「依然としてペースを上げなきゃならない状況だ。特に、フェラーリと比較するとね」とピアストリは付け加えた。
再びフェラーリ勢の後塵を拝することになれば、57点差でフェルスタッペンを追う立場のノリスの逆転タイトルは一層、厳しい状況となる。
タイヤテストが行われた2024年F1メキシコGPの初日FP2をトップで締め括ったのはカルロス・サインツ(フェラーリ)。2番手にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3番手には角田裕毅(RB)が続く結果となった。
FP3は日本時間10月26日(土)26時30分から、公式予選は同30時から1時間に渡ってエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。