元米国大統領ドナルド・トランプの親しい友人であるトーマス・ジョセフ・バラック・ジュニアとフラビオ・ブリアトーレ、2024年F1モナコGP
Courtesy Of briatoreflavio@Instagram

74歳フラビオ・ブリアトーレ、顧問役として低迷アルピーヌF1に復帰…人材管理からプロジェクト評価まで広範な役割

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元ルノーF1チーム代表のフラビオ・ブリアトーレが、F1第10戦スペインGPを前にアルピーヌF1チームのエグゼクティブ・アドバイザーに就任したことが2024年6月21日(金)、明らかにされた。

2008年のF1シンガポールGPで発生した悪名高い「クラッシュ・ゲート」により辞任を余儀なくされた74歳のイタリア人実業家は、かつて自身がF1から追放されるに至った際に率いていた英国エンストンのチームに復帰した。

声明によるとブリアトーレは、アルピーヌの親会社、ルノー・グループのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)により「主にチームのトップレベル分野に重点的に取り組む」ために同職に任命された。

ブリアトーレの役割には「優秀な人材のスカウティングやドライバーマーケットに関する洞察を提供すること、現在の組織構造の評価を通して既存のプロジェクトに異議を唱えること、競技分野における幾つかの戦略的な問題について助言すること」が含まれる。

ここ数週間、パドックではアルピーヌが次世代パワーユニットの開発中止を検討しているという噂が広まっており、これに伴いチーム売却の憶測も再燃している。デメオがブリアトーレに託した真の役割が売却に向けた仲介役だったとしても驚きはない。

アルピーヌは2023年以来、相次ぐ人材流出という混乱に見舞われてきた。

昨年7月末にチーム代表のオトマー・サフナウアーが退任すると、スポーティング・ディレクターのアラン・パーメインはRBに移籍。最高技術責任者のパット・フライもウィリアムズに移った。レーシングディレクターのダビデ・ブリビオも去り、ローラン・ロッシはCEOを解任された。

今年に入ってはテクニカルディレクターのマット・ハーマンと空力責任者のダーク・デ・ビアの両名が辞表を提出。事実上、予選・決勝ともに最下位に終わった開幕バーレーンGP後にチームは技術部門の3頭体制化を発表したが、開幕9戦を終えてコンストラクター選手権8位と低迷している。

ブリアトーレはベネトン時代の1994年と95年にミハエル・シューマッハをチャンピオンに押し上げ、2005年と06年にはフェルナンド・アロンソと共にダブルタイトルを獲得するなど敏腕を奮り、チーム代表として輝かしいF1キャリアを過ごしてきた。

だが、2008年のシンガポールGPでの悪名高い「クラッシュ・ゲート」でネルソン・ピケJr.に対して故意にクラッシュするよう指示した事でF1を永久追放された。

この処分は後に覆され、2012年末を以て処分が解かれると、2022年にF1の公式アンバサダーに就任。フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)のマネージャーという立場もあって、度々、パドックに姿を見せているが、F1チームに直接的に関わる仕事に就くのは今回が初となる。

ブリアトーレが率いたエンストンを本拠とするルノーはその後、ロータスを経て2016年に再びルノーワークスとなり、2021年にアルピーヌへとリブランドされた。

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