ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1のダニエル・リカルドと角田裕毅、2024年5月16日(木) F1エミリア・ロマーニャGP(イモラ・サーキット)
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リカルドのニーズに合わせる? RBの「F1マシン開発」における8度のウィナーの影響、方向性を巡る角田裕毅との関係

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キャリア通算245戦、8度の優勝と32回の表彰台を誇るダニエル・リカルドは、ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1チームのマシン開発に確かな影響を与えているようだ。

チーム代表のローラン・メキーズはマイアミで、開幕序盤に不調続きだった34歳のオーストラリア人ドライバーが中国GP以降、復調の兆しを見せた要因について次のように説明した。

「我々は彼がプッシュしやすいクルマにするために懸命に努力してきた。彼がマシンに順応することで達成したものものあるが、彼のニーズにクルマを合わせてきた部分もある」

メキーズはまた「彼がプッシュできるようなものを提供する方向で、シーズン後半には他のステップも出てくるだろう」と述べ、リカルドが意のままにドライブできるような方向性でVCARB 01の開発が行われているとも説明した。

RBのガレージに置かれたダニエル・リカルドの3号車VCARB 01、2024年5月16日(木) F1エミリア・ロマーニャGP(イモラ・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

RBのガレージに置かれたダニエル・リカルドの3号車VCARB 01、2024年5月16日(木) F1エミリア・ロマーニャGP(イモラ・サーキット)

しかしながらリカルドによると、自身は特に具体的な要求はしておらず、単にリカルドが起因となって発生した方向性の転換の結果として、クルマの開発が行われているという事のようだ。

エミリア・ロマーニャGPの開幕を前にメキーズの発言についての詳細を求められたリカルドは、チーム加入当初は角田裕毅を含むチーム側と自身が求めるセットアップの方向性に若干の相違があったものの、最終的には同様の方向に収斂し始めたと説明した。

「昨年、チームに加わって数レースに出場し始めた頃の事だけど、セットアップの方向性が少しずれ始めたんだ」とリカルドは語る。

「僕は自分が望む方向性に満足していて、最終的にはユーキもその方向性を探り始め、二人ともがそれを気に入るようになった」

「今ではセットアップに関して僕らが望むものや、クルマに求めるものについてはほぼ同じ意見なんだ」

「だから(今年の)最初の数レースを経て、僕らに幾つかの問題があった事は確かだと思う。僕ら、というのは僕と僕の側のガレージのことだ」

「とは言え、必ずしも大掛かりな事をしていたわけじゃなく、僕はそれでもクルマに満足していたし、結局のところはラップタイムに少しばかり疑問符が付いていただけなんだ」

「だから僕らは中国でシャシーを交換した。何の役にも立たなかったという人もいるかもしれないけど、少なくとも僕の感触だけじゃなく理論上においても、大きく好転したように見える。だから今のところ、それは間違いなく前向きだ」

イモラ・サーキットで行われたアイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーのトリビュートランに参加するダニエル・リカルド(ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1)、2024年5月16日(木) F1エミリア・ロマーニャGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

イモラ・サーキットで行われたアイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーのトリビュートランに参加するダニエル・リカルド(ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1)、2024年5月16日(木) F1エミリア・ロマーニャGP

「僕らは兎に角、クルマからもう少しばかりパフォーマンスを引き出そうとしているだけで、具体的に『これが本当に必要なんだ』というものはないんだ」

「僕もユーキも求めているものは似たような事だと思う。少しばかり経験があるから、僕の方がチームに対して頼める事が少し多いのかもしれないけど、正直に言って、特にこれといったものはないし、単にラップタイムを追求しているだけだ」

「それにチームは良い仕事をしてくれている。マイアミではフロアにちょっとしたアップデートがあって、それが多分、第1セクターに少し影響したと思う。トップチームに追いつくために進むべき方向性は明確で、チームは僕らにできる限りのものを提供しようと努力してくれている」

「ローランは素晴らしい仕事をしてくれているから、彼がチームに加わってくれて本当に嬉しい」

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