金属代替を加速…RB、先端素材と3Dプリンティング技術でVCARB 01の軽量化・性能強化へ
角田裕毅擁するRBフォーミュラ1チームは、伊バーリに本社を置くロボーゼ(Roboze)社との提携により、金属部品をカーボンPEEKに置き換えることで重量を削減し、VCARB 01の構造強度と空力効率を引き上げパフォーマンスを向上させる計画だ。
RBは2024年4月24日(水)、高性能複合材料の3Dプリンティングを専門とするロボーゼ社と技術提携を発表した。チームは既に数ヶ月前からシングルシーターの開発に同社のテクノロジーを導入しており、残りのシーズンでも引き続きこれを使用する。
これによりRBは、他の方法では製造する事が難しい複雑な形状のパーツを製造する事が可能になるだけでなく、先端素材「カーボンPEEK」の使用により、従来は金属で製造する必要があったパーツをこれに置き換え、軽量化する事ができる。
カーボンPEEKは炭素繊維を充填したスーパーポリマーをベースにした素材で、機械的、熱的、化学的耐性の点で優れた特性を備えており、幅広い産業分野で金属の代替素材として使用されている。
本パートナーシップについてRBは「レーシングカーのパーツ製造における先端素材の使用における新たな章の始まりを意味する」ものだとする。
「ロボーゼの3Dプリンティング技術を採用することで、マシンの重要なコンポーネントの設計と製造方法が変わる事になる」とRBの製造担当ディレクターを務めるステファノ・ナターリは説明する。
「カーボンPEEKのような素材を使用できるようになることで、車体の重量と強度を最適化できるだけでなく、開発とイノベーションのサイクルを大幅に加速し、ライバルチームの一歩先を行くことができる」
「このパートナーシップは、世界選手権の最前線に立ち続けるという我々の戦略の要となるものだ」
RBとの提携についてロボーゼのアレッシオ・ロルッソ最高経営責任者(CEO)は「当社のソリューションがモータースポーツにおける性能と効率パラメーターの再定義にどのように役立つかを実証するまたとない機会だ」と語った。