RB、マグヌッセンの「スポーツマンシップに反する」行為を非難…FIAに問題提起へ
ビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1のレーシング・ディレクターを務めるアラン・パーメインは、F1第2戦サウジアラビアGPでのケビン・マグヌッセン(ハース)の行為を「スポーツマンシップに反する」と評し、統括団体の国際自動車連盟(FIA)に問題提起する意向を示した。
ジェッダ市街地コースの50周のレースで中団チームとしてポイントを獲得したのは角田裕毅ではなくハースのニコ・ヒュルケンベルグだった。これはピットウォールの戦略とマグヌッセンのドライビングにより達成された。
ヒュルケンベルグはランス・ストロール(アストンマーチン)のクラッシュによりセーフティーカー(SC)が導入された際にステイアウトした4台のうちの1台だった。マグヌッセンは他の16台と同じようにハードタイヤに履き替えた。
角田裕毅とアレックス・アルボン(ウィリアムズ)に対するドライビングで計20秒のペナルティを受けていたマグヌッセンに入賞の芽はなく、チームは意図的にペースを落として走行するようマグヌッセンに指示を出した。
その狙いは、マグヌッセンの後方にいる角田裕毅を含むライバル勢を抑え、ヒュルケンベルグがピットストップを終えた後に、マグヌッセンの前でコースに復帰できるようにする事にあった。
マグヌッセンはペースを緩めつつも締めるべきところはシッカリと締め、自らに託された役割をやり遂げた。足止めされたライバル勢は団子状態となり我慢のレースを強いられた。
この結果、ヒュルケンベルグは35周目にハードタイヤに履き替えると、マグヌッセンの前、実質的なポイント圏内でコースに戻り、最終的に10位フィニッシュを飾った。
角田裕毅の第2スティントについてパーメインは「少し受け入れ難い」と表現し、角田裕毅の前方を走行するためにマグヌッセンが故意にコースアウトしたと主張。それによって得たトラックポジションを使ってヒュルケンベルグを援護したと指摘した。
「マグヌッセンは、ユーキの前を走行するために意図的にコースを離れ、彼のペースを一周につき最大2秒落とした。これにより、まだピットストップをしていなかったヒュルケンベルグはギャップを築き、全後続車両の前にピットストップを消化した」
「これは私には正しい事だとは思えない。スポーツマンシップに反する行為の典型だと思う。これに関しては他のチームも含め、今後のレースのためにFIAに話を持ち掛けることになるだろう」
チーム代表を務めるローラン・メキーズも、これでは「マグヌッセンに科せられたペナルティは意味をなさない」と指摘した。
訂正:当初、マグヌッセンの行為と、これにより生じたトラックポジション上の優位性を利用したハースの戦略の両方をパーメインが非難しているとの解釈に基づいた内容で記事を公開しましたが、パーメインの発言を見直した結果、ハースが採った戦略自体を非難しているとは断定できないと判断し、タイトルおよび記事内容を差し替えました。訂正のご報告と合わせてお詫び申し上げます。
3月9日(土)にジェッダ市街地コースで行われた2024年F1第2戦サウジアラビアGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペンが2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾り、セルジオ・ペレスが2位に続いた事でレッドブルが再び1-2フィニッシュを果たした。
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