FIA、ベン・スライエム会長を調査…アロンソへのF1裁定に干渉を試みた疑いで
報道によると国際自動車連盟(FIA)は、2023年のF1サウジアラビアGPでフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に科されたペナルティを覆すためにグランプリレースに介入した疑いがあるとして、会長を務めるモハメド・ベン・スレイエムを調査している。
英「BBC Sport」によると、内部告発者および、FIAの最高コンプライアンス責任者を務めるパオロ・バザーリがFIA倫理委員会に提出した報告書により明らかとなった。FIAとベン・スレイエムは現時点で本件に関する問い合わせに対し沈黙を保っている。調査結果には4~6週間が見込まれる。
ジェッダ市街地コースで行われた昨年のサウジアラビアGPでは、スタートポジション違反による5秒ペナルティをピットストップの際に適切に消化しなかったとして、セレモニーで3位表彰台に上がったアロンソが10秒ペナルティを受け4位に降格した。
ペナルティが科されたのは、5秒を消化する前にリアジャッキがクルマに「触れていた」事が確認されたためで、スチュワードは、ジャッキがクルマに触れることは競技規則第54.4条(c)における「作業」に該当するとの「FIAとチーム間の合意」が存在していると指摘した。
しかしながらその後、アストンマーチンによる再審請求が行われ、スチュワードがペナルティを撤回した事でアロンソは最終的に3位を奪還した。
同規定は、ペナルティ消化時間が経過するまで「作業」をしてはならないとのみ定めており、ジャッキがクルマに触れる事が違反とは明記していない。アストンマーチンはスチュワードが挙げた「FIAとチーム間の合意」が存在しないとする証拠を提出し、裁定の見直しを要求した。
スチュワードは予備審問を行い、アストンマーチンから提出された証拠を検証した結果、再審理を行う事を決定。「明確な合意」はなかったと判断し、当初のペナルティを覆した。
この件に関してベン・スライエムは、FIAの中東・北アフリカ地域のスポーツ副会長であり、そのレースの公式な役割でサウジアラビアにいたシェイク・アブドゥラ・ビン・ハマド・ビン・ハマド・イサ・アル・ハリファに連絡を取り、アロンソのペナルティを取り消すべきだと語ったとされる。