2戦連続でのペレス衝突、5秒懲罰では学習しないとアルボン…厳罰化を要求
セルジオ・ペレス(レッドブル)が2戦連続、3回に渡って他者に衝突した事を受けアレックス・アルボン(ウィリアムズ)は、5秒ペナルティはドライバーに学習を促すような抑止力になっていないとの考えを示した。
アルボンはF1シンガポールGPの終盤に向けてポイント圏内を争っていたが、ターン13でペレスに脇腹を突かれて11位に終わった。ペレスは5秒ペナルティを受けたが、リザルトを変えるものではなく、1周目にも角田裕毅(アルファタウリ)に対しても同じような形で衝突した。
ペレスは1週間後の日本GPでも先の2件と似たような動きでケビン・マグヌッセン(ハース)に突っ込み、5秒ペナルティと2点のペナルティポイントを受けた。この事故の影響を受け最下位に終わったマグヌッセンは「酷くやけくそな動きだった」と呆れた様子を見せた。
英「AUTOSPORT」によるとアルボンは鈴鹿でのレースを終えて「彼は今日もターン11で僕に対して同じ動きをした。僕は避けたけど、彼はその後、ケビンに対しても同じことをした。僕は彼の後ろにいたから、みんなの様子が誰よりも良く見えていた」と語った。
「ペナルティがドライバーにとって何の学びにも繋がっていないのは明らかだ。十分じゃないんだよ。だって2レース連続だからね」
厳罰化を求めるアルボンの声を受けGPDA(F1ドライバー組合)のディレクターを務めるジョージ・ラッセルは「去年のオースティンで僕は、カルロス(サインツ)に対するミスで5秒を受けたけど、あれはドライブスルーに値するものだった」として、インシデントにより生じた結果を考慮に入れた裁定のあり方について検討が必要との見方を示した。
スチュワードは長年の慣例として、損害などのインシデントの「結果」はペナルティ裁定の判断材料であってはならないとするスタンスを貫いている。
サインツは2022年のF1アメリカGPでポールポジションを獲得するも、スタート直後のターン1でラッセルに追突されリタイヤを余儀なくされた。責任はすべてラッセルにあるとしてスチュワードは、5秒ペナルティと2点のペナルティポイントを科した。
レース中のインシデントに関してスチュワードが科す事のできるペナルティは5秒に限らない。ルールにおいては10秒ペナルティに加え、ドライブスルーとストップ・アンド・ゴー、戒告、更には次戦でのグリッド降格や失格、次戦出場停止を科す事も許されているが、その殆どは5秒に留まる。