見誤ったアルファタウリ、敗因は何処に…F1日本GP 逆転無得点も「実力でのポイント獲得」は間近とエドルズ
スクーデリア・アルファタウリのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、ミディアムタイヤを読み誤ったこと、そしてライバルに対してハードタイヤが1セット少なかったことが、鈴鹿での2023年F1日本GPの主な敗因と考えているようだ。
角田裕毅が10戦ぶりのQ3進出を果たして9番グリッドを確保したアルファタウリだが、レースではミディアム、ハード、ハードと繋いだ後方アルピーヌ勢にポジションを奪われ、リアム・ローソンは11位、角田裕毅は12位に終わった。
53周のレースを経てエドルズは「レースに向けてミディアムとハードを1セットずつしか温存していなかったため、路面温度的にハードを2セット残している周囲のライバルに対して若干不利になることは分かっていた。また、ミディアムはハードと同じような挙動を示すと予想していた。タイヤ勝負のレースになる事は明らかだった」と振り返った。
「我々は2台にソフトを履かせてレースに臨んだ。スタート直後のインシデントを経て各々、9番手と10番手につけた。ヒュルケンベルグのアンダーカットを防ぐべく反応したため、ソフトタイヤのスティントは短かった。ドライバー達の素晴らしいインラップとピットストップにより、2台のポジションをキープすることができた」
チームの読みは外れた。ミディアムタイヤはペースとデグラデーションの双方でハードとの乖離が当初の予想より大きかった。このコンパウンドを履いた第2スティントでアルファタウリはアルピーヌに先行を許した。40秒5前後のペースで推移した角田裕毅に対し、ハードを履くピエール・ガスリーは38秒6前後を刻んだ。
「問題は中間スティントのミディアムコンパウンドのペースだった」とエドルズは説明する。
「デグラデーションが酷く、それによってダメージを受けてしまった。他のチームが上手く機能させていただけに、これがレース後に取り組む作業の焦点になるだろう」
「最終スティントのハードタイヤでのペースは競争力があったが、この段階で我々はすでに2台のアルピーヌにやられてしまい、ポイント圏外に終わった」
ローソンに前を塞がれる前の角田裕毅はハードタイヤでの最終スティントで37秒台後半を刻んでいた。ローソンに対してはコンマ5秒速かった。ただアルピーヌに及ぶほどではなかった。
第2スティントをハードで走ってアルピーヌを抑え込み、最終スティントで再びハードを装着できれば入賞の芽はあっただろうが、ハードを2セット残すためには予選をソフト4セットで戦わなければならないため、グリッドを妥協する必要がある。
トップ10スタートながらも日本GPはアルピーヌに逆転を許す失望の週末となった。ただ、ライバルの不運に頼らずとも「実力」でのポイント獲得に足る競争力がAT04に備わってきているとエドルズは指摘する。
「レースを通して幾つかポジションを失う結果となったが、今週末にはポジティブな兆候が幾つかあった」
「予選でのパフォーマンス、そしてレースペースが以前より一歩前進している事からも分かるようにパッケージは機能している。クルマの開発を続ける事で自らの実力でポイントが獲得できるところまで近づいている。だから我々はシーズンの最後まで戦い続ける」
2023年F1第17戦日本GP決勝レースではマックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインでレッドブルのコンストラクターズ選手権連覇を決め、2位にランド・ノリス、3位にオスカー・ピアストリが続く結果となった。
ロサイル・インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦カタールGPは10月6日のフリー走行1で幕を開ける。