ランス・ストロール、”2つの要因”がF1シンガポールでの大事故を招いたと主張
F1シンガポールGP予選で発生した大クラッシュについてランス・ストロール(アストンマーチン)は、計量ブリッジに時間を奪われた事と、ダーティーエアーの影響に依るところが大きいと考えている。
事故はQ1最終盤の最終コーナーで発生した。ストロールはアウト側の縁石に乗り上げた後、クルマの制御を失い、時速約240キロでフロント側からTecProバリアに衝突。勢い余ってコース側に弾き飛ばされた。
左フロントホイールはデザーを引きちぎって脱落し、車体からはクーラントと思われる液体が流れ出し、AMR23は見るも無惨な姿に変わり果てたが、幸いにもストロールはメディカルセンターでの検査で怪我がない事が確認された。
英「RaceFans」によるとストロールはクラッシュについて「理由は分かってる」と述べ、計量ブリッジに呼ばれた事で最終アタックを待つクルマの最後尾に並ぶ事となり、タイヤに適切な熱が入らないままにクイックラップに向かわなければならなかったと説明した。
ストロールはまた、前走車両(ピエール・ガスリー)から2秒遅れでラップをスタートする事になったとした上で、「2秒前にクルマがいる状況はエアロ的に本当に良くないんだ」と付け加えた。
アルピーヌA523のダーティーエアーを受けながら走った最終ラップでは「Q2に進めるほどタイムを上げる事」ができず「最終コーナーで挽回しよう」とした結果、事故へと至った。
まさに負のスパイラルといったところだが、ストロールが奮わないのは今週末に限った事ではない。チームメイトのフェルナンド・アロンソは今季15回すべての予選でQ3進出を果たしているものの、ストロールは半分以下の7回に留まっている。
モノコック交換は必至。抜けないマリーナベイ市街地コースで最後尾からどこまで巻き返せるだろうか。
チーム代表を務めるマイク・クラックは「唯一重要なのは、予選での事故を経てランスが無事だったということだ。彼が手助けなしにクルマから降りてくる姿を見られたのは、安全性を向上させるためのFIAの絶え間ない努力の証しだ」と語った。
2023年F1シンガポールGP予選ではレッドブルがダブルQ2敗退を喫し、カルロス・サインツ(フェラーリ)が2戦連続のポールポジションを獲得する結果となった。
決勝レースは日本時間9月17日(日)21時にフォーメーションラップが開始され、1周4,940mのマリーナベイ市街地コースを62周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。