ホンダF1と全方位的議論を重ねるアストンマーチン、2026年エンジンの競争力に「大いに自信」
アストンマーチンのチーム代表を務めるマイク・クラックは、2026年からのコラボレーションに向けて定期的にホンダと会合の場を持ち、パッケージングからパドックパスの数に至るまで「あらゆる面」について話し合っていると説明した。
英国シルバーストンのチームは現行パワーユニット(PU)規定が満了を迎える2025年末を以てメルセデスとの長期パートナーシップに終止符を打つ。MGU-Hを廃止しながらも電動パワー比率が50%に引き上げられる2026年以降の次世代PUを供給するのはホンダだ。
英「RaceFans」とのインタビューの中でクラックは、各週末に現場入りする技術者の数など「あらゆる面で意見交換を行っている」と述べ、「競技面もそうだし、パスが何枚必要かとか、パドックでの体制はどうするのか、我々と一緒に座るのか、それとも別々なのかと言った事についてだ」と続けた。
「基本的には競技、財務、技術を含めたあらゆる分野について話し合っているわけだが、お互いに決まったパートナーやビジネスパートナーがおり、定期的な話し合いによってコラボレーションが始まっている。お互いにあちこちで会うようにしている」
無論、車体とPUの統合を含めたパッケージ全体に関する議論も行われているが、シャシー側のレギュレーションが未定であるため、それは「予備的な話し合い」に留まっている。
2026年型F1マシンに関しては車両重量の増加と、冷却要件的に車体空気抵抗の悪化が見込まれる事から、デプロイメント(回生によって蓄えられた電気エネルギー)が1周保たずに枯渇し、レースを損ねる可能性があるとして、レッドブルから規定変更を求める声が上がっている。
ただクラックは「シャシー規定に幾つか思い切った措置」を取ればPU規定を変更する必要はないと考えており、それは「技術的に可能だ」とも指摘した。
ホンダはレッドブルと共に2023年もダブルタイトルを獲得する勢いだが、2026年以降も同じ様に高い競争力を発揮できるかどうかは分からない。V6ハイブリッド・ターボは継続されるものの、ハイブリッド側は大幅に変更される。
それでもクラックは「素晴らしい真のレーサー」であるとして、ホンダが次世代のF1においても強力なPUを生み出す事に「大いに自信を持っている」と語る。
「彼らはあらゆる面でプッシュし、ワールドチャンピオン・エンジンを供給している」
「我々としては、彼らのエンジンにどのように対処し、どのようにしてその高いレベルを維持できるかという謙虚な姿勢を持つ事の方が重要だ」
「偏見はまったくない。これまで見てきた限りにおいて私は本当に感銘を受けている」