アルファタウリ、今季3rdベスト予選を経て決勝に自信…性能引き上げ狙う新型リアウィング
7月28日(金)に行われたF1第13戦ベルギーGP予選を終えてアルファタウリのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズが、予選に至るまでの準備と、グリッド争いにおけるランプランについて説明した。
ウェット、クロスオーバー、そしてドライと、パフォーマンスの底上げを目的とした新型リアウイングが導入されたAT04は、あらゆるコンディションでミッドフィールドの上位を期待させる競争力を発揮した。ドラッグが最も大きい翼の両端部分の形状が変更されたこのウイングは、荷重の増加に加えてドラッグの低減が見込まれる。
角田裕毅はオープニングラウンドで9番手を刻み、スペインGP以来、5戦ぶりとなるQ2進出を果たした。
ウェットからドライへと移り変わる展開となったQ2では、トラック・エボリューションの恩恵を最大限に活かせない状況ながらも、Q3までコンマ35秒の印象的なラップを刻み、チームにとっても自身にとっても今季3番目の予選成績となる11番手を獲得した。
ダニエル・リカルドは19番手でQ1敗退を喫したが、それはQ2進出に足る10番手相当のラップがトラック・リミットにより抹消されたためだった。
この日のガレージ内での取り組みについてエドルズは「スプリントフォーマットが採用されたベルギーGPの金曜は大雨の影響により興味深い展開となった」と振り返った。
「雨量とコンディションが目まぐるしく変わる展開となり、FP1は台無しになってしまった。コースコンディションを確認するためにフルウェットで何周か走ったものの、雨脚が強まったため中止せざるを得ず、ようやくインターミディエイトに履き替えたと思ったら赤旗が出てしまい、この影響で両ドライバーともラップタイムを計測する前にセッションが終了してしまった」
「そのため、殆どデータがない状況で予選に臨まなければならなかった。ただ、予想される大部分のコンディションでインターミディエイトが速そうだという事は十分に分かっていた」
「予選を前に雨が降ったため、セッションはインターミディエイトで始まった。そこで、コースが最も速くなると予想される終盤に新しいインターミディエイトでシングルラップを走れるよう走行計画を調整した」
「二人とも本当に競争力のあるラップタイムを刻んでくれたが、オー・ルージュを全開で行こうとした際に僅かにはらんでしまったため、ダニエルのラップはトラックリミットによって抹消されてしまった」
「彼がその後のセッションでも競争力を発揮してくれたであろう事が明らかなだけに本当に残念だ」
「ユーキはQ2に進出した。ラップタイムがウェットタイヤとドライタイヤのクロスオーバーに近かったため、まずはインターミディエイトで出ていき、セッションの最後にドライタイヤで2周連続のプッシュラップを行う事にした」
「ユーキはソフトコンパウンドで非常に良いラップタイムを刻んでくれたが、我々にはQ3に進むだけのペースがなかった」
「我々は最初にフィニッシュラインを越えたドライバーの中の1人であったため、コースインを送らせてトラック・エボリューションを利用する事もできたわけだが、その場合は黄色や赤旗に引っかかるリスクがあった」
「いずれにせよ今日のパフォーマンスに満足しているし、ドライコンディションが予想される日曜のレースに向けて良いセットアップを手にできたと自信を持っている」
2023年のF1ベルギーGP予選でトップに立ったのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.82秒差で退けた。3番手にはフェルスタッペンの僚友セルジオ・ペレスが続く結果となった。
シュートアウトは日本時間7月29日(土)19時から、スプリントは同23時30分から1時間に渡ってスパ・フランコルシャンで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。