ウィリアムズF1、パット・フライを最高技術責任者に起用「業界で最も尊敬されている専門家」
ウィリアムズ・レーシングはF1第13戦ベルギーGPの初日を迎えた2023年7月28日、パット・フライをチームの新しいチーフ・テクニカル・オフィサー(最高技術責任者)に任命したと発表した。11月1日より職務を開始する。
モータースポーツ業界で30年以上に渡る輝かしいキャリアを持つ59歳のイギリス人エンジニアは「ウィリアムズはF1における豊かな伝統を持つチームだ。将来の成功に向けて貢献していく事を楽しみにしている。チームのポテンシャルを信じているし、コース内外で卓越した結果を目指していく」として、その豊富な経験と専門知識を以て英国グローブの名門復活に寄与していきたいと語った。
パット・フライについてチーム代表を務めるジェームズ・ヴァウルズは「ウィリアムズの次の章を築いていく上で、彼の知識と経験はチームの技術力・卓越性の追求をさらに強化することになるだろう」と語った。
「パットはそのキャリアを通じて優勝チームの中核を担ってきた。この業界で最も尊敬されている専門家のひとりだ。11月、彼と共に仕事を始める事を楽しみにしている」
ベネトンでの1987年のF1キャリア開始以来、パット・フライはマクラーレンやフェラーリなど、このスポーツで最も権威のあるチームで上級エンジニアを歴任。キャリアを通じて数々の成功とタイトル獲得に貢献してきた。
マクラーレンに在籍していた17年間ではグランプリ66勝、コンストラクターズ選手権1勝、ドライバーズ選手権3勝を挙げた。アクティブサスペンションを開発するテストチームのレースエンジニアとしてスタートした彼の才能はすぐにパドックに認められる事となり、ミカ・ハッキネンやデビッド・クルサードのレースエンジニア、そしてチーフエンジニアを務めるなど様々な役職に就いた。
2010年にアシスタント・テクニカル・ディレクターとしてマラネッロに本拠を置く伝説的なチーム、フェラーリに移籍。レーストラック・エンジニアリング責任者やシャシー・ディレクター、エンジニアリング・ディレクターといった重要な役割を担った。
しばらくの休養の後、2016年にマノー・レーシングのエンジニアリング・コンサルタントとしてF1に復帰。2018年にはエンジニアリング・ディレクターとしてマクラーレンに一時的に復帰し、2012年以来チーム最高成績となるコンストラクターズ選手権4位獲得に貢献した。
2020年2月にシャシー・テクニカル・ディレクターとしてアルピーヌF1チームに加わり、2年後の2月にチーフ・テクニカル・オフィサーに就任。エンストンに本拠を置くチームのあらゆる技術活動を監督した。