ダニエル・リカルド、先輩ウェバーの助言に耳を貸さず…凋落の道を歩む
マーク・ウェバーは母国の後輩、ダニエル・リカルドが、F1キャリア凋落に向けての一歩を踏み出す事になったルノーへの移籍決定に際し、自身のアドバイスに耳を貸さなかったことを明かした。
レッドブル在籍中にキャリア9勝を挙げたウェバーは2013年末を以てF1での現役生活にピリオドを打った。リカルドはその後任としてトロ・ロッソからの昇格を果たし、マックス・フェルスタッペンと遜色ない走りを見せ、8回の優勝を以てトップドライバーとしての評価を確立させていった。
だが、チームがフェルスタッペン中心に回り始め、パワーユニットサプライヤーがルノーからホンダへと切り替えられる2019年を前に、ルノーとの2年契約を結んで長年に渡って過ごしたレッドブルファミリーを離れた。
この決断は結果的にリカルドのキャリアを大きく狂わせる事となった。ルノーにはリカルドが期待を寄せていたような競争力はなく、1年足らずでマクラーレンへの移籍を決定。ウォーキングのチームではクルマの悪癖に苦戦し続け、3年契約を全うできずにシートを失った。
多くがリカルドのルノー入りに疑問を呈したのと同じ様に、ウェバーもまた、その決断は誤っていると考え、レッドブルに留まるよう忠告を与えていた。
リカルドの後任としてマクラーレンに加わったオスカー・ピアストリのマネジメントを手掛けるウェバーは英「ITV」に対して「僕としては彼にレッドブルに残ってほしかった。何年も前から僕が残留するよう説得していた事は彼の知るとおりだ」と語った。
「でも彼は当時ルノーに行きたがっていた。そしてその後マクラーレンに行った」
マクラーレンから事実上の解雇を宣言された34歳のオーストラリア人ドライバーはトップチームでのF1復帰を目指し、中団チームからのオファーを受けずに1年の浪人生活を過ごす事を選んだ。
だが、シルバーストンで行われたタイヤテストを経てヘルムート・マルコは、不振続くニック・デ・フリースを放出し、角田裕毅のチームメイトとして次戦ハンガリーGPより復帰させる事を決断。リカルドもこれを受け入れた。
「ストップウォッチは決して嘘をつかない。プレッシャーを与えるか、プレッシャーを受けるかのどちらかだ」とウェバーは続ける。
「彼がユーキに対してすぐに良いパフォーマンスを発揮しなければならないのは明らかだ。上手くやってくれるといいんだけど」