相手がハミルトンだったらフェルスタッペンの経歴は損なわれていたかも、とラッセル
仮にキャリア初期の段階で絶頂期のルイス・ハミルトンをチームメイトに持っていたならば、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のキャリアは「損なわれた」かもしれないとジョージ・ラッセル(メルセデス)は考えている。
フェルスタッペンが僅か1年半足らずでトップチームへの昇格を果たした一方、ラッセルがメルセデスへの移籍を掴み取ったのは、グリッド上で最も遅いウィリアムズで3年を過ごした後の事だった。
英「Square Mile」とのインタビューの中で、競争力を欠くクルマで数シーズンを戦った経験は意味のあるものだったと思うかと問われたラッセルは、結局のところは神のみぞ知る世界だとしながらも「グリッド後方のクルマに乗り、勝利をかけて戦えなかったという点で、3年のキャリアを失ったと言えるかもしれない」と答えた。
ただその一方で、自身は常に「あらゆる状況について前向き捉えたい」性格であるとして「キャリア早々に困難な状況に放り込まれたライバルたちと比べれば、後方でのレースを通して多くを学んだのかもしれない」とも述べた。
「早い段階で深いところに放り込まれた事でキャリアを損なったドライバーもいるわけだからね」
7度のF1ワールドチャンピオンを誰よりも知る現役ドライバーの一人であるラッセルは、適切な段階で相応のチームで経験を積むことが重要だと考えており、もしフェルスタッペンがキャリアの早い段階でハミルトンのようなチームメイトと相対していれば、その後のキャリアは大きく異なるものになっていた可能性があると指摘した。
「例えばマックスは18ヶ月で昇格を果たしたけど、もしメルセデスのようなチームに行って、ピークにあるルイスと対峙しなきゃならなかったとしたら、キャリアに傷を負ったかもしれない」
「だから、2つの側面から見てみる必要があるんだ」
「もし、慣れ親しんだクルマで圧倒的な力を発揮する全盛期の相手と対峙しなきゃならなかったとしたらマックスは今日、このポジションにはいなかったかもしれない」
ラッセルはハミルトンとの仕事を通して、チームのモチベーションの上げ方、周囲の人間の能力の引き出し方、コース上のみならず人生に対する彼のアプローチから「間違いなくインスピレーションを得ている」と付け加えた。
メルセデスはF3参戦当時のフェルスタッペンにアプローチしたものの至らず、トロロッソでの早期F1デビューを提示したレッドブルが後の2度のF1王者との契約を掴み取った。
デビューから1年と4戦を経てフェルスタッペンは、ダニール・クビアトの降格に伴いダニエル・リカルドのチームメイトとしてレッドブルに移籍すると、その初戦となったスペインGPでキャリア初優勝を飾り、F1史上最年少優勝記録を18歳227日に塗り替えた。