ハミルトン、契約に関するバトンとヒルの発言を非難…メルセデス「プランB」の憶測を一蹴
メルセデスとの契約締結が遅々として進まないのは、2023年型F1マシン「W14」の競争力を疑問視している表れだとするデイモン・ヒルとジェンソン・バトンの見解にルイス・ハミルトンが反発した。
事実無根の噂を振りまいている
今年1月に38歳の誕生日を迎えた7度のF1ワールドチャンピオンは昨年、キャリアの中で初めての未勝利シーズンを過ごした。
2023年末を以てメルセデスとの現行契約は満了を迎える。チーム代表のトト・ウォルフとハミルトンは共に契約延長の可能性を示唆しているものの、未だ契約書にサインはなされておらず、パドックでは引退を含めた様々な憶測が飛び交っている。
1996年のF1王者ヒルは、W14のペースが奮わない場合、ハミルトンは「新しい長期契約にサインする気が失せるだろう」と述べ、更には高額な年俸に触れて、メルセデスが決断を思い留まっているのかもしれないと指摘した。
2009年にF1世界選手権を制したかつてのチームメイト、バトンもヒルと同様の見解を示しており、契約についての質問攻めが続く事がどれだけ「煩わしい」かを知りつつも決断を送らせているのは、メルセデスが「どれだけ競争力を持っているのかに思いを巡らせているからにほかならない」と語った。
ロイター通信によると、これについてハミルトンは2023年シーズンの初戦、バーレーンGPの開幕を翌日に控えた3月2日(木)、「結局のところ、それは事実無根の噂を振りまいているに過ぎない」と述べ、2人のF1王者を非難した。
「何の参考にもならない。みんなは2人(ヒルとバトン)が僕のことを分かっていると思ったことだろうね」
「僕は13歳の時からメルセデスと一緒にやってきた。今年が厳しいシーズンになろうがならなかろうが、僕はここにいる。僕はファイターだ。僕らはチームとして戦う」
「解決策を見つけ出していくというチャレンジが好きだし、今でも僕は、たぶん他の人ができないような場所にクルマを持っていけると信じてる」
「契約(に関する交渉については)は何も滞ってはいないし全然焦っちゃいないんだ。今すぐサインしなきゃならないなんて感じていない」
メルセデス「プランB」の存在を一蹴
タイトル争い復帰に向けて生み出された「W14」は、レッドブルとフェラーリに敗れ去った昨季型「W13」のサイドポッド思想を踏襲するものだった。その方向性に、一部には眉をひそめる者もあった。
サイドポッドのデザインについてメルセデスの首脳陣は、昨年の成績不振とは直接関係ないと繰り返し主張している。
だがSky Sportsのテッド・クラヴィッツは「プランB」の存在を確信しているとして、シーズン中のアップグレードによってメルセデスは「レッドブルやフェラーリのようなスタイル」に移行する準備を整えているとの考えを示した。
しかしながらこれについてハミルトンは、昨年より導入された予算上限ルールに触れ「プランBなんてありえない」と一蹴した。
「今はコスト削減の時代だ。クルマのデザインをやり直すには振り出しに戻らなきゃならない。そんな暇はない」