アルファロメオは2月7日のローンチイベントで2023年型F1マシン「C43」のレンダリング画像を公開した。開幕戦に投入される実車と全くの同一でない事は間違いないが、それでもこれまでに目にしてきた4チームの中ではダントツに”リアル”と言える。

概して言えば、車体前方部分は先代の「C42」の面影を強く残す一方、中央以降の空力的形状は大きく異なっており、開発の主戦場であるフロアを除けばかなり実車に充実なのではないかと期待させる佇まいだ。

テクニカル・ディレクターを務めるヤン・モンショーが明かしたように、C43の注目ポイントはリアエンドだ。2023年シーズンに向けてギアボックスを改良し、リアサスペンションを刷新。冷却レイアウトを変更した事で大きな変化が生まれた。

2022年型「C42」と比較しながら駆け足で「C43」を見ていきたい。驚くべきことではないが、アルファロメオは昨年のトップ2、つまりレッドブルとフェラーリからインスピレーションを得ているようだ。

先代との類似性が多いフロント側

フロントウイングのフラップの形状は異なるものの、ノーズやプッシュロッド式フロントサスペンションを含めてフロント側は全体として先代と似通っている。

フェラーリ「F1-75」型の冷却吸気口

冷却用にポッカリと開いたサイドポッド・インレットの形状は、以前のように横に張り出す一方、縦方向に大きく狭まった。

フェラーリ2022年型「F1-75」を強く想起させるが、その一方でアンダーカットは昨年の跳ね馬ほど劇的ではなく、レッドブル「RB18」のような流れるようなデザインとなっている。

劇的に変化したサイドポッド

「昨年、実装できなかった様々なソリューションの扉が開かれた」とのモンショーの発言が示すように、内部に収まる冷却系の配置変更によりサイドポッドは大きく変化した。昨年のチャンピオンマシン「RB18」の哲学を感じさせる。

サイドポッド・インレットから取り入れた空気の排出口、エア・アウトレットは高い位置に設けられ、その形状は筒状に絞り込まれるようにフロアに向かって急激なRを描く。

車体中心線側に移動した冷却系

ラジエーター周りの配置変更は、エンジンカバーに開けられた冷却ルーバーの位置の変化、そして幾らかスリムになったサイドポッドから読み取れる。マシンの中心線側に配置が変更されたようだ。

車体後方/ディフューザー

フロア同様に、ディフューザーもこれが最終版とは考えにくい。ビームウィングやリアウイングはコース特性に応じて変更されることになるだろう。

なお設計が大幅に変更されたというリアサスペンションはプルロッドではなくプッシュロッド式のままだが、実車はどちらの構成を採用しているのだろうか。