入賞剥奪後初めて口を開いたアロンソ…FIA管理下におけるF1の方向性に疑問投げかける
レース後30秒加算によってF1アメリカGPで入賞を奪われたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が一件を経て初めて公に口を開き、自身が受けたペナルティは国際自動車連盟(FIA)管理下における現在のF1の方向性に疑問を投げかけるものだと主張した。
2度のF1ワールドチャンピオンはランス・ストロール(アストンマーチン)との接触事故によりミラーが破損した状態でレースを続行して7位フィニッシュしたものの、ハースからの異議申立てを経てポイント圏外に降格させられた。
アルピーヌはこの決定を不服として異議申立てを申請。今週末のF1メキシコGPを前にメキシコシティで木曜に審理が行われる。
アロンソはInstagramのストーリーを通じて「僕らが正しい方向に進んでいけるかどうかが決まるという点で、決定が下される木曜は、我々が愛して止まないこのスポーツにとって重要な日になる」と述べた。
また、メッセージをくれたファンに感謝した上で「スポーツの世界では滅多にないことだが、誰もがルールやレギュレーションに対して同じ意見を共有しているように思う」と付け加えた。
ハースは今年、同様の状況で過去3回に渡ってオレンジボール・フラッグが振られたために、修理のための計画外のピットストップを強いられてきた。
アメリカGPでのレース中、アルピーヌの車両破損についてハースは2度に渡ってレースコントロールに知らせたものの、オレンジボールが出される事はなかった。
F1でフル参戦18シーズンの経験を誇る41歳のスペイン人ドライバーは、一貫性を欠くFIAの裁定に対してこれまで幾度となく不満をあらわにしてきた。
特に今年初開催を迎えたマイアミGPではスチュワードを「無能」呼ばわりし、プロフェッショナリズムの欠如を辛辣に批判すると共に、ニールス・ヴィティヒを含む新レースコントロール体制は機能していないと指摘した。
レギュレーションではどのような状態が「安全ではない」のかについて具体的な規定はないが、今回の審理においてミラーが壊れた状態が違反にあたるとの判断が下された事で、今後はミラーが破損すれば即リタイヤを余儀なくされる事態が想定される。
一件の違法性はさておき、時速200km近い高速走行中にウィリーして壁に衝突し、空力パーツにダメージを受けながらも、最後尾から7位にまで巻き返したアロンソのドライビングは圧巻だった。