レッドブルでさえ混乱した鈴鹿での戴冠劇「1ポイント足りないと思ってた!」と明かすホーナー代表
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のキャリア通算2回目のタイトル獲得は混乱に満ちたものだった。チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーでさえ、1ポイント足らないと考えていたのだ。
3時間ルールに基づき、雨の鈴鹿でのF1日本GPレースは28周でチェッカーフラッグが振られた。これは規定周回数の75%未満。優勝者への付与ポイントはフルポイントの25点ではなく、19点しか与えられない。
国際放送でフェルスタッペンのチャンピオン獲得が報じられる一方、各国のF1ジャーナリスト達の多くがそのように考えていた。F1公式放送とも言うべきSky Sportsでさえ確信を持てていなかった。
だがポイント減額システムが採用されるのはレースが中断されたまま再開されない場合で、結果的にフェルスタッペンは優勝によって25ポイントを加算。シーズン4戦を残して選手権を勝ち取った。
ポイント減額が適応された場合、例えシャルル・ルクレール(フェラーリ)が5秒ペナルティによって3位に降格したとしても、フェルスタッペンの戴冠には1点足らない計算だった。
だからこそ、レッドブル陣営は最終盤にフェルスタッペンをピットストップさせ、ファステストラップを狙いに行くことを検討していたのだ。
しかしながらセルジオ・ペレスは2番手を走行するルクレールを抜きあぐねていた。ルクレールが3位以下になって初めて、フェルスタッペンのファステストが活きる状況だった。故に、2回目のピットストップに動く事はなかった。
クリスチャン・ホーナーはチェッカーが振られた時点でタイトルが確定したとは思っていなかったと認めた上で、フェルスタッペンに賛辞を贈った。
「我々はフルポイントが与えられるとは思ってなかったんだ。1ポイント足りないと思っていた。だからファステストラップのためにマックスをピットインさせることを検討していたんだ」
「なんてこった。全く想像だにしてなかったよ!」
「マックスは、本当に、本当に圧倒的だった。これで14勝目、レッドブル・レーシングにとってのレコードだ」
「シーズン序盤の2、3レースで幾つかの困難に見舞われたが、我々はそれから立ち直り、彼とチームが別次元に引き上げてくれた」
当のフェルスタッペンはワールドチャンピオン決定の知らせに戸惑いながら、自分の考えを言葉にするのに苦労した様子を見せた。
「クレイジーだよ。とても複雑な気持ちだ」とフェルスタッペン。
「振り返ってみると、本当に信じられないような1年だった。想像もできなかった」
「昨年は最終戦までもつれ込んだけど、今年はこんなにも素晴らしいクルマに恵まれた。この成功に貢献してくれたすべての人に感謝してる」