アルファタウリ、判断ミス認める「ドライタイヤへの変更があまりに早かった」痛恨の取りこぼしで選手権9位に転落
スクーデリア・アルファタウリのテクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンはF1第17戦シンガポールGPの決勝を振り返り、タイヤ交換のタイミングを誤ったために途方もない取りこぼしをしてしまったと悔やんだ。
前日の予選と同じようにウェットからドライへと路面コンディションが移り変わる中、アルファタウリは全体の3番目に早い33周目にダブルストップを敢行。2台のタイヤをインターミディエイトからスリックへと変更した。
ただ、当時の路面は溝なしのドライタイヤで走るにはまだ時期尚早で、ピットアウトしたその2周後に角田裕毅はターン10のバリアに突き刺さりクルマを降りた。
リタイヤの原因となったクラッシュに関して角田裕毅は「ブレーキングポイントを完全に見誤り、オーバースピードでコーナーに入ったため」と述べ、自らのミスと認めたが、チームはその責任の一端を感じているようだ。
一方のピエール・ガスリーはピット前に7番手を走行していたものの、早期のタイヤ交換により2つポジションを失い、更には角田裕毅の事故処理のために導入されたセーフティーカーによって利を得たライバル1台に対しても順位を落とした。
レースを終えたガスリーは、他車に先行してピットストップを行う「大きなリスク」を冒した事でポジションを落とし、ひいてはポイントまでをも失ったとして、チームの決定を「ミス」と評して苦言を呈した。
エギントンは「チームとドライバー達は週末を通して懸命に取り組んできたものの、我々は2台で大量のポイントを稼ぐチャンスを最大限に活かす事に失敗した」とした上で、早期のスリックへの変更決定は誤りだったと認めた。
「これは、エンジニアリングチームがあまりにも早い段階でドライタイヤへの変更を決めたためだった」
「これにより2人ともがトラックポジションを失い、ユーキの方はピットアウト直後にコース外に飛び出した」
「そのためチェッカーフラッグを受けたのは僅か1台のみだった」
ガスリーが失った可能性があるポイントは5点。これがあればコンストラクターズ選手権でアストンマーチンに先行を許す事もなく、逆にハースを交わして7位に浮上していた計算だが、実際には1つ順位を落として9位に後退した。
エギントンは「本来持ち帰るべきであったものよりも遥かに少ないポイントしか手に入らなかった」と悔しさをにじませる。
「改善すべきエリアを理解すべく、これからチームとしてレースの詳細なレビューを行うつもりだ。そして、次に同じようなチャンスが訪れた際に、もっと上手く活かせるよう学んでいきたい」
「今夜は本当に大きなチャンスを逃した。本来であればしっかりと両手でつかむべきものだった」
6台がリタイヤを強いられた大波乱の2022年F1第17戦シンガポールGPの決勝レースを制したのはセルジオ・ペレス(レッドブル)。2位にシャルル・ルクレール、3位表彰台にカルロス・サインツとフェラーリ勢が続く結果となった。
鈴鹿サーキットを舞台とする次戦日本GPは10月7日(金)のフリー走行1で幕を開ける。