F1シンガポールGPでのタイトル決定パターンと見落とされがちな前提条件、日本GPでの最終決着濃厚か
F1イタリアGPでフランスから続く連勝記録を5に伸ばしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、早ければ次戦F1シンガポールGPで昨年に続く2度目のドライバーズタイトルを獲得する可能性がある。
5名のタイトル候補者
モンツァでのレースを終え、ランキング6位につけるルイス・ハミルトン(メルセデス)の8度目のタイトルの可能性は潰えた。現時点でチャンピオン獲得の可能性があるのは以下の5名だ。
- マックス・フェルスタッペン(レッドブル、335点)
- シャルル・ルクレール(フェラーリ、219点)
- セルジオ・ペレス(レッドブル、210点)
- ジョージ・ラッセル(メルセデス、203点)
- カルロス・サインツ(フェラーリ、187点)
シンガポールの翌戦、鈴鹿での日本GP以降の残り6戦で獲得可能な最大ポイントは138点だ。つまり、マリーナ・ベイ市街地コースでのレース終了時点でフェルスタッペンがライバルに138点差以上をつければ決着がつく。
「以上」としたのは、仮に日本GP以降の全てのレースでフェルスタッペンがリタイヤし、ルクレールが全勝して同一ポイントで並んだとしても、フェルスタッペンの連覇が決まるためだ。
同点の場合、優勝回数が多い方がタイトルを手にするルールとなっている。フェルスタッペンは現在11勝を挙げている。残りのライバルの中で最も優勝回数が多いのはルクレールだが、それでも3勝止まりだ。
シンガポールでフェルスタッペンの連覇が決まるパターン
まずは見落とされがちな前提条件を確認したい。それは規定周回数の75%以上を消化するという事だ。75%未満の場合はポイントが削減され、優勝しても最大19点に留まるためタイトルは決まらない。
シンガポールGPの規定周回数は61周だ。つまり46周以上を消化する必要がある。そしてその上でフェルスタッペンが優勝する事が絶対条件となる。後はファステストラップ(FL)の有無によって以下のように変化する。
フェルスタッペン | ルクレール | ペレス |
---|---|---|
優勝+FL | 8位以下 | 4位以下 |
優勝 | 9位以下 | 4位以下 + FL無 |
フェルスタッペンがFL無しの優勝に終わった場合、ルクレールが9位フィニッシュに加えてFLを記録してもタイトルは決まる。逆にペレスが4位でFLを記録すると日本GP以降にお預けとなる。
ちなみに今季のルクレールは、リタイヤしたレースを除けば全てトップ6でチェッカーを受けている。統計的に言えばシンガポールでチャンピオンシップ争いが決まる可能性は低い。
なおフェルスタッペンの今季平均順位が1.64位、ルクレールの平均順位が3.30位である事を踏まえて計算すると、ドライバーズタイトルは鈴鹿で決する可能性が高い状況だ。
コンストラクター選手権はどうなの?
現時点でコンストラクタータイトル獲得の可能性があるのは以下の3チームだ。
- レッドブル(545点)
- フェラーリ(406点)
- メルセデス(371点)
シンガポールGPを終えてレッドブルがライバルに220点以上の差をつければタイトルが確定する。
ただし例えレッドブル勢が1-2フィニッシュに加えてFLを記録し、ライバルが全滅したとしても点差は183点に留まるため、こちらに関しては雨が降ろうが槍が降ろうが、シンガポールでタイトルが決まる事はない。