フェルスタッペン、2023年に向けたフロア変更は「少し度が過ぎている」
F1を統括する国際自動車連盟(FIA)はポーパシングに関する問題解決に向け、2023年のレギュレーションを変更する事を決定したが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は既に問題がほぼ収束している事から「少し度が過ぎている」と主張した。
8月16日(火)の世界モータースポーツ評議会(WMSC)でFIAは、フロア・エッジやディフューザー・スロートの調整を含むルール変更案を正式承認した。これによりチームは2023年型F1マシンの発表まで半年という段階で車体設計の見直しを強いられる事となった。
マシン開発と今季グランドエフェクトカーに関する理解が深まってきた事もあり、ドライバーの健康侵害が懸念される程の激しい空力的上下動に見舞われるチームは見られなくなった。
特に、今回のルール変更を声高に主張したとされるメルセデスがこの点において顕著である事から、F1ベルギーGPのためにスパ・フランコルシャン入りしたフェルスタッペンは変更そのものの必要性に疑問を呈した。
英Autosportによるとフェルスタッペンは「どうなるのか興味深いところだね。各チームが一体どれほどの影響を受けるのか、現時点ではあまり明確に見えていないように思うんだ」と語った。
「これらの変更は少し度が過ぎていると思う。だって直近の数戦で既に、多かれ少なかれ殆どのチームがコントロールできていたように見えるし、変更を要求した当のチームは遥かに制御出来ているんだから」
フェルスタッペンと同じ様にチーム代表のクリスチャン・ホーナーもまた、2023年のレギュレーション変更は「純粋に安全性」を追求した結果とは思えないと疑いの目を向けている。
対してメルセデスのトト・ウォルフ代表は、ポーパシングがドライバーの身体に及ぼし得る影響に関してFIAが取りまとめた医学的調査を受け、「脳の損傷に繋がる可能性がある」と主張し、ロビー活動との批判を一蹴している。
26日(金)に開幕を迎える今週末のベルギーGPではこれとは別に、エアロダイナミック・オシレーション・メトリックによるポーパシング抑制施策及び、フレキシブルフロアの取り締まりが開始される。
レッドブル・レーシングはフレキシブルフロアによる恩恵を受けているチームの一つと見られているが、フェルスタッペンは「必ずしも僕らが不利になるとは思わない」と述べ、パフォーマンスへの影響の可能性を除外した。