レッドブル、F1モナコで車重”増”へ…相次ぐDRSトラブルを受け
レッドブルはF1第6戦スペインGPの予選と決勝でマックス・フェルスタッペンを苛立させたDRSの不具合は「野心的過ぎた」軽量化により発生した可能性があると考えており、次戦F1モナコGPに向けて、より重い従来仕様のパーツに戻す事で一時的な解消を目指す意向を明らかにした。
フェルスタッペンはDRSが作動しなかったために予選ではポール争いのチャンスが奪われ、レースではジョージ・ラッセル(メルセデス)を追い抜きあぐねた。完全に作動しなかったわけではなく、作動したりしなかったりと動作が不安定な状態だった。
これについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは軽量化に起因する問題だと説明し、チーム代表のクリスチャン・ホーナーはパフォーマンスを向上させるための軽量化に向けた取り組みが「野心的過ぎたのかもしれない」と認めた。
レッドブルの2022年型F1マシン「RB18」はルールで規定された最小マシン重量、798kgを大きく超過しているマシンの一つとして知られている。
マルコはパーツを軽くしていった結果「限界」に達してしまい、剛性が損なわれたりパーツが曲がった可能性があるとした上で、「2キロ重かろうが軽かろうがモンテカルロでは関係ない」と述べ、モナコGPでは安牌を切って旧パーツにロールバックさせる意向を明らかにした。
なお同じRB18を駆るセルジオ・ペレスに同様の問題が発生しなかったのは、リアウイング周りの軽量化パッケージがまだ搭載されていなかったためだ。
マルコは「現在のような速度で開発が行われている状況では、いきなり2台のマシンに全てを用意する事はできない」と語った。
予選Q3で発生したトラブルを受けレッドブルは、スペインGPの決勝を前に1号車RB18のDRSフラップ・ピボットとDRSアクチュエーターを交換した。
この時の作業の様子についてSky Sportsのテッド・クラビッツは「野良仕事的」と形容して「レッドブルにとって最良の時とは言えない。レース開始間近にこれほど大きな変更を余儀なくされたのだから。彼らはカーボンの一部をやすりで削り、塗装して元に戻すという、乱暴で野良仕事的な方法に頼らなければならなかった」と伝えた。
フェルスタッペンが決勝でフラストレーションを爆発させた事についてホーナーは「理解できる」として「彼は1つのストレート上で50回(DRS作動)ボタンを押したに違いない。これは改善すべき問題だ」と語った。