予選を終えてW13から降りるメルセデスのルイス・ハミルトン、2022年5月21日F1スペインGP予選
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

6番手に不満なルイス・ハミルトン、ペレスやラッセルの名を挙げ「デルタ」無視を指摘

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21日(土)のF1スペインGP公式予選を6番手で終えたメルセデスのルイス・ハミルトンは、”デルタ・タイム”に関するルールが遵守されていなかったとして、フラストレーションをあらわにした。

F1レースディレクターのエドゥアルド・フレイタスは、不必要な低速走行を防止すべく、セーフティーカーライン間の最小ラップタイムを1分31秒に定めたが、ハミルトンは一部のライバルがこれを守っていなかったとご不満だ。

ハミルトンが名前を挙げたのは5番手セルジオ・ペレス(レッドブル)と4番手のチームメイト、ジョージ・ラッセルだった。ハミルトンとラッセルとの差は0.119秒に過ぎなかった。

「そうだね、確かに結果には失望してる」とハミルトン。

「前進しているのは良い事なんだけど、その一方でデルタタイムを守らなきゃならないルールがあった。今のタイヤの場合、アウトラップを低速で走ってタイヤの熱を抑える事でタイム的にアドバンテージを得る事ができるんだ」

「デルタタイムを守らないマシンが僕の前に何台もいた。ペレスのようにね。デルタより8秒遅く走った場合、温度にして5度のアドバンテージを持って次のラップに入る事ができる」

「僕はデルタを守っていたから少し悔しい」

「ジョージもウォームアップ・ラップで少し遅かったから、彼にも少しアドバンテージがあった」

怒っていると言うよりは僅差であったために少し納得できないといった印象だが、この区間最小タイムに関しての取り決めについてスチュワードは、予選中に計18名、延べ55件の違反があったとしており、その中でハースの2名に警告処分を科した

ペレスやラッセルを含む16名がお咎めなしとされたのは正当な理由があったと判断されたためだが、違反していなかった2名というのは、各ドライバーの予選後インタビューからするとハミルトンとエステバン・オコン(アルピーヌ)であったようだ。

ガレージからファストレーンに出ていくメルセデスのルイス・ハミルトン、2022年5月21日F1スペインGP予選にてCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ガレージからファストレーンに出ていくメルセデスのルイス・ハミルトン、2022年5月21日F1スペインGP予選にて

納得し難い点があるにしろ、新型フロアを含むアップグレードによってミッドフィールドから抜け出す道筋がようやく見えてきた点は前向きだ。

予選では金曜のペースが本物であることが証明された。特に第1セクターでは常にトップタイムをマークするほどで、ラッセルは今季最高の予選4位を獲得した。

「今週末は一歩前進できたし、取り組んでくれたすべての仕事に対してチームを心から誇らしく思ってる」とハミルトンは語る。

「ただ、ストレートでのバウンシングはなくなったけど、コーナーではまだ幾らか残っているから作業を続ける必要はあるね」

「決勝に向けては、昨日のロングランも悪くなかったし、かなり暑いコンディションになるみたいだから、6位から更に上を目指していく事が僕の目標だ」

レースペースで圧倒するレッドブルを掴まえられるかどうかは疑わしいが、チーム代表を務めるトト・ウォルフは「我々のクルマは予選向きというよりはむしろ、レース向きだと思う。明日がどうなるか見守りたい」と期待をのぞかせる。

予選におけるトップ2チームとの差についてエンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、最終セクターでのオーバーヒートが最大の原因だとした上で「セットアップに関しても、まだまだこれからだ。今回導入したパッケージは(以前と)だいぶ違うため、最大限に活用する方法をまだ学んでいる最中だ」と付け加えた。


ポールポジションはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。3番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)という結果となった。

2022年 F1スペイングランプリ決勝レースは、日本時間5月22日(日)22時にスタート。1周4675mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。

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