動画:ホンダ、最新鋭の風洞「HALO」インディカー含むレース車と量販車の空力・音響解析
1億2,400万ドル、約152億2,593万円を投じたホンダの最新鋭のフルサイズ風洞施設、ホンダ・オートモーティブ・ラボラトリーズ・オブ・オハイオ(HALO)が米国オハイオ州イーストリバティ市にオープンした。今秋までの完全稼働を予定する。
これは州最大の自動車研究開発トランスポーテーション・リサーチ・センター(TRC)の敷地内に新たに建設されたもので、2023年末には外部企業への貸出も予定される。
HALOは、エアロダイナミクス、空力音響、レーシングカー特性評価という3種の試験機能を1箇所に集約した最先端の風洞で、アキュラを含むホンダの市販車開発のみならず、インディカーやIMSA等のレーシングカーの開発にも使われる。
競技車両と量販車の両方のテストに対応するために、風洞には交換可能なモジュール式のグランドプレーンシステムが採用された。市販車開発には5本ベルトのローリング・ロード・システムを、高性能スポーツカーやレース専用車両には1本のワイドベルトを使用する。切り替えは4時間ほどで完了する。
ファンの直径は約7.9mで、最大で時速310kmを風を発生させる。車両が乗せられるターンテーブルは180度回転(殆の風洞は+ /-15度しか回転しない)が可能で、空力音響解析用に502個のマイクとカメラが周囲に配置される。これにより、車外と車内のどの位置で風切り音が発生するかを測定する事ができる。
ホンダがアメリカ国内に新たな風洞を建設したのは主に電気自動車(EV)の開発を見据えての事のようだ。従来は40%スケールの小型風洞のみだった。空力を最適化する事は航続距離を伸ばす上で欠かせず、EVは内燃機関車以上に騒音対策が求められる。
以下の動画では2022年モデルのホンダCR-Vハイブリッドの空力音響テストやワイド・ベルでのホンダ・ダラーラDW12インディカーの空力テスト、ローリング・ロード・システムの交換の様子などが楽しめる。