幻のF1王座から14年…フェリペ・マッサがティモ・グロックとチーム結成!伯ダブルスレースに参戦
幻に終わったF1ワールドチャンピオン獲得から14年を経て、フェリペ・マッサがティモ・グロックとタッグを組み、ストックカー・ブラジルのダブルスレースに参戦する事が決まった。
マッサの母国、インテルラゴス・サーキットで開催された2008年のF1最終ブラジルGPでは、フェラーリ駆るマッサが優勝を飾り、悲願のワールドチャンピオンを獲得したかに思われたが、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が濡れた路面に苦しむグロックを最終ラップで抜き去り5位でフィニッシュ。僅か1点差で史上最年少王者に輝いた。
当時は、ハミルトンを勝たせるためにグロックが故意にポジションを落とした、わざと減速してハミルトンにタイトルをプレゼントした、等といった憶測や陰謀論が飛び交い、グロックの家族の元に脅迫状が届くといった事態に発展した。
2人がその後、あのレースについて初めて公に語ったのは、13年後の昨年のブラジルGPだった。Skyドイツの企画により実現した対談でマッサは、グロックが自分を陥れようと思ったなどとは一度たりとも考えた事はないとして、グロックを抱きしめた。
「ティモを恨んだことは一度もない」とマッサは語った。
「彼が意図的に僕に対して何かしたと思ったこともない。モータースポーツを理解している人であれば、彼があの状況で何もできなかった事は一目瞭然さ」
各車がレインタイヤに履き替える中、グロックはドライタイヤでステイアウト。最終周に強まった雨脚に翻弄され、コース上にクルマを留め置く事すら困難な状況だった。
昨年、笑顔でグロックと別れたマッサは、その先を見据えていた。インテルラゴスで開催される2022年のストックカー開幕を告げる伝統的なダブルヘッダーレースで、19号車シボレー・クルーズをシェアする相手としてグロックを誘ったのだ。
「昨年末のブラジルGPでティモと出会って、このアイデアを思いついたんだ」とマッサ。
「スポンサーにも話したところ、すぐに賛同してくれた。ティモとチームを結成する事はモータースポーツ的にそれだけで意味のある事だけど、もちろん、良い結果を求めての事さ」
グロックはマッサの招待を快く受け入れた。
「フェリペのパートナーとしてサンパウロのストックカーレースで一緒に戦えるなんて本当に嬉しい」
「シリーズ自体は前からフォローしていたけど、フェリペから既にオンボード映像を送ってもらっているんだ。おかげで事前にクルマへの理解を深める事ができる」
「ビッグネームや速いドライバーがたくさん走るみたいだから、本当に楽しくなりそうだ。僕も速く走れることを願ってるよ」
マッサは1週間前、誰がチームメイトになるかをファンに予想するようソーシャルメディアで以下のように呼びかけたのだが、投稿された画像のそのシルエットから、早々にグロックを言い当てるファンがいたのには驚いた。
レースは2月14日(日)の現地13時55分にスタートの時を迎える。