FIA世界耐久選手権（WEC）第4戦として8月21日～22日にサルト・サーキットで開催された第89回ル・マン24時間レースで、マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス駆る7号車トヨタGR010 HYBRIDが全61台の頂点に立った。

TOYOTA GAZOO Racingとしてはル・マン4連覇の快挙。今季を除く過去4シーズンで3度のポールを獲得しながらも、不運に見舞われ勝利を逃してきた小林可夢偉ら3名のドライバーにとっては悲願の初優勝となった。

2019年は残り1時間で首位を走行もパンクに見舞われ、僚友8号車に勝利を明け渡した。2020年はポールから順調にレースを戦うも、レース半分を消化したところでターボトラブルに見舞われ後退を余儀なくされた。そして2013年のAFコルセ時代を含めて6度目の挑戦となったハイパーカー初年度の今年、ついに積年の夢を叶えた。

ルマン通算4度目となるポールポジションからスタートした7号車は、濡れた路面に翻弄され至る箇所でスピンやコースオフが続出した序盤をトラブルフリーで潜り抜けた。

その後はパンクや燃料補給トラブルに見舞われる場面がありつつも、33回、計44分18秒のピットストップを経て、最終スティントを担当した小林可夢偉が8号車（セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレー）を2ラップダウンの2位に抑えてトップチェッカーを受けた。

ル・マン・ハイパーカー（LMH）規定準拠の新車を投じたトヨタに対し、旧レベリオンR13LMP1マシンを流用した36号車アルピーヌにとっては信頼性という点で大きなアドバンテージがあったものの、2回のスピンを喫した事もあり4週遅れの総合3位に留まった。

グリッケンハウスはウィナーの7号車に対してベストラップで1.693秒落ちと、パフォーマンスでは劣ったものの、目立った不具合を抱え込むこともなく淡々とスティントを積み上げ、708号車が総合4位、709号車が同5位で完走を果たした。

LMP2クラスは最終ラップに劇的ドラマが待ち受けていた。クラストップを走行していた41号車チームWRTがコース上で停車。僚友31号車が代わってクラス優勝を飾った。クラス2位となった28号車JOTAとは0.727秒という僅差で、3位は65号車パニス・レーシングとなった。

LM GTE ProクラスはAFコルセの51号車フェラーリ488GTE Evoが63号車コルベットC8.Rを41.686秒差で振り切った。3位はポルシェGTチームの92号車911 RSR – 19という結果だった。

LM GTE AmクラスはAFコルセの83号車が優勝を飾り、2位に33号車TFスポーツ、3位に80号車アイアン・リンクスが続いた。

トヨタ以外の日本勢は、青木拓磨擁する41号車アソシエーションSRTが総合32位、星野敏と藤井誠暢擁する777号車Dステーション・レーシングがLMGTE Amクラス6位、総合33位を手にした。木村武史擁する57号車ケッセル・レーシングはエンジントラブルに見舞われリタイヤを余儀なくされた。

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2021年ル・マン24時間レース 最終結果