タイトル戦への影響必至…フェルスタッペン、ハンガリー決勝前に急遽3基目エンジン「降格ペナはほぼ不可避」とホーナー
ホンダF1は第11戦ハンガリーGP決勝レースを前に、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のパワーユニットを交換した。ハンガロリンクの週末への影響はないが、シーズン終盤でのグリッド降格は避けられない見通しだ。
33号車RB16Bに搭載されていたパワーユニットについては、前戦イギリスGPで発生した51Gのクラッシュによるダメージが懸念されていたものの、HRD Sakuraでの精密検査を経てホンダは、残りのシーズンでの継続使用にゴーサインを出した。
だが予選を終えて「シルバーストンでの衝撃の後遺症」と見られる過去に例を見ないクラックがシャシーに近い箇所で発見されたため、ホンダは新品パワーユニットを開封して70周のレースを前に載せ替えた。
国際自動車連盟(FIA)テクニカルデリゲートの発表によると、新たに封が切られたのはICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kの4つのコンポーネントだ。
いずれも今季3基目で、今回の変更によってレギュレーションで許可された上限基数に達したため、次に交換を行えば規約違反によってグリッド降格ペナルティが科せられる事になる。
ハンガロリンクを含めて残りは13戦。開封済エンジンのみでこれを乗り切る事は不可能に近い。
クリスチャン・ホーナー代表はSky Sportsに対して「今回グリッドペナルティが科される事はないが、シーズンの残りを(開封済みの)3基で抑えるには厳しい状況だ」と説明した。チャンピオンシップ争いへの影響は必至だ。
降格によるダメージを最小限に抑えるためには、オーバーテイクが容易いコースで交換を実施する、ウェットによって荒れた展開が予想される等、巻き返しが多く見込めるタイミングで開封する事が一つの鍵となる。
なお問題が確認された個体については、金曜専用エンジンという役割であれば再使用できる可能性もあり、今後更なる詳細な確認が行われる見通しだ。