画像22枚:強烈な色対比!2021年F1セーフティカーは緑の「アストンマーチン」と赤の「メルセデス」
満を持して2021年シーズンのF1公式セーフティーカーとメディカルカーがお披露目された。メルセデスとアストンマーチンは日本時間3月8日(月)朝、各々が今シーズンに投じるオフィシャルカーを世界初公開した。
F1では1996年以降、メルセデスが単独でF1にセーフティーカーとメディカルカーを提供してきた。競技中のコースの安全確保を担当する同社製のセーフティーカーは、96年の「C36-AMG(W 202)」に始まり2019-2021年の「AMG-GT R(C 190)」に至るまで、これまでに12車種が供給されてきた。
だがチーム株式の一部売却と呼応するように、メルセデスはその役割の一部を他メーカーに譲る。その相手とは昨年から既に名前が上がっていたように、アッファルターバッハ製の8気筒ターボエンジンをはじめとして、広範な技術協力関係にある英国のスポーツカーブランド、アストンマーティンだ。
両メーカーは全23戦が計画されている今シーズンのF1で役割を折半。アストンマーチンにとっての初の舞台は開幕バーレーンGPで、メルセデスは4月18日にイモラで開催される第2戦エミリア・ロマーニャGPで初仕事を迎える。
アストンマーチンSCは「ヴァンテージ」
アストンのセーフティーカーは同社のスポーツカー「ヴァンテージ」をベースとした特別仕様車で、車体とエアロダイナミクスが大幅に改良された。メディカルカーは勿論、アストン初のSUV「DBX」だ。共に61年ぶりの復活を遂げた今季型F1マシン「AMR21」と同じく光沢あるブリティッシュグリーンに彩られた。
F1での業務を完璧に遂行できるよう、エンジニアチームはトビアス・ムアースCEOの直接の指示のもと、パフォーマンスとラップタイムの向上に焦点を当てた作業に取り組んだ。
その結果、4リッターV8ツインターボV8のパワーはベース車両と比べて25馬力アップの535馬力に達し、0-60mph加速わずか3.5秒というパフォーマンスを実現した。685Nmのピークトルクはそのままながらも、トランスミッションの改良によってコントロール性が向上。 また、新型フロントスプリッターとの組み合わせにより、時速200kmで155.6kgのダウンフォースを発生させるという。
メルセデスは「AMG GT R」継続も赤色に
一方のメルセデスは米国のサイバーセキュリティ企業「CrowdStrike」とスポンサー契約を結び、昨年までと同スペックの「AMG GT R」と「AMG C63 S エステート」をそれぞれCrowdStrikeの企業カラーである赤色に塗り替えた。
なおムジェロ・サーキットで行われた昨年のトスカーナGPでメルセデスは、通算1000回目のF1グランプリ出走を迎えるライバルのスクーデリア・フェラーリに敬意を表し、赤色のセーフティーカーを特別供給している。
アストン参入に際して注目されたのは誰がセーフティーカードライバーを務めるのかという点であったが、これまで同様に、20年以来の大ベテランでありFIA指定ドライバーのベルント・マイレンダー(49歳、ドイツ)がアストンとメルセデスの両セーフティーカーをドライブし、アラン・ファン・デル・メルヴェ(41歳、南アフリカ)が両メディカルカーのステアリングを握る事が発表された。
AMGブランドアンバサダーであり、AMGドライビング・アカデミーのインストラクターでもあるマイレンダーは「これまでセーフティカーに失望させられた事は一度もない。確固たる信頼性は安全性の基本的要素だ。また、コースでの高いパフォーマンスには何度も興奮させられてきた。今シーズンもFIAセーフティカーを運転し続けられることを嬉しく思っている」と語った。