隠し切れぬ絶対的な自信…王者メルセデス、プレシーズンテスト前に新車W12のシェイクダウン行わず
前人未到のダブルタイトル8連覇を目指すV6ハイブリッド時代の絶対王者、メルセデスAMGペトロナスF1チームが新車「W12」を発表した。
PU部門を率いるハイウェル・トーマスは、ICE(内燃エンジン)とターボチャージャーの改良によりパフォーマンス向上を果たしただけでなく、設計上の不備から昨シーズン中に度々不具合を起こしていたMGU-Kの信頼性を改善させたと明かしたが、技術責任者のジェームス・アリソンはトークンの投入エリアを明かさないばかりか、ルール変更に伴うものを除きアップデートの詳細に触れなかった。
それ故、今季W12の詳細は3月12-14日のバーレーンでのプレシーズンテストを待つ他ないわけだが、チームがW12に絶対的な自信を持っている事は疑いない。
英国ブラックリーのチームは伝統的に、新車発表と合わせてシルバーストンでのシェイクダウンを行うのが常だが、今年は開幕前テストを前に実際のコースでW12を走らせる事はない。問題なく機能するとの確信の表れだろう。
チーム代表兼CEOのトト・ウォルフは「シルバーストンはいつも雨が降るから、もう二度と凍てつくような雨に濡れたくはなかったんだ」と語ったが、ライバルチームにとっては悪い冗談だろう。
ウォルフ代表は「フィルミングデーはバーレーンテスト後の火曜日に行う予定だ。その方がシルバーストーンで撮るよりも良い写真が撮れると思う」と付け加えた。
何時ぞやのウィリアムズのように、開発に遅れが生じていてシェイクダウンが行えない、という事は考えにくい。メルセデスは昨年、どのチームより早く2020年シーズンの開発に見切りを付け、リソースの全てを早々に2021年にシフトしている。
ひょっとするとプレシーズンテスト仕様がそのまま開幕バーレーンGP仕様という事もあり得るかもしれない。マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレス擁するレッドブル・ホンダの前に立ちふさがる壁はやはり高そうだ。