レーシング・ポイントF1チームのチームウェアを着用したニコ・ヒュルケンベルグ、70周年記念GP
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ニコ・ヒュルケンベルグ、2021年のF1復帰に向けアルファロメオと交渉

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セルジオ・ペレスの”スーパーサブ”として、70周年記念GPで印象的な活躍を示したニコ・ヒュルケンベルグは、2021年のF1復帰に向けて話し合いを行っているチームの1つが、アルファロメオ・レーシングである事を明らかにした。

ペレスが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染したことで、8ヶ月に渡ってF1から離れていたヒュルケンベルグは急遽英国へと飛び、イギリスGPで一時的に復帰を果たした。シルバーストンでの第1レースではクラッチハウジング内のボルトがせん断された事でレースに出走できなかったのの、翌週末の70回記念GPでは予選3位を獲得し、レースでは7位フィニッシュを飾った。

ヒュルケンベルグは週末のパドックで、2021年の復帰に向けて幾つかのチームと話し合っている事を認めていたが、その中の1つが、古くからの知り合いであるフレデリック・バスールが代表兼CEOを務めるスイス・ヒンウィルのチームである事を明かした。ヒュルケンベルグはバスールの指揮の下、2008年と2009年にそれぞれF3とGP2でタイトル獲得している。

32歳のドイツ人ドライバーはF1公式ポッドキャストの中で、アルファロメオからのカムバックを検討しているかどうかを問われ「端的に言えばイエスだ」と答えた。

「F1で再びレースをしたいと思っている。今もF1が大好きだし、これは僕の情熱なんだ。死物狂いというわけではないけど、ここに戻ってきて、またレースに出たいと思っている。ここ数ヶ月、フレデリック(バスール)とは頻繁に話をしていた」

アルファロメオは、キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィをレギュラードライバーとして、ロバート・クビサをリザーブドライバーとして起用しているが、いずれも契約は今シーズン末までとなっている。

ヒュルケンベルグは70周年記念GPで手にした6ポイントによって、5戦を消化したドライバー達に混じってランキング14位につけた。これはアルファロメオの2名やアルファタウリ・ホンダのダニール・クビアトを上回るポジションであり、同13位につけているフェラーリのセバスチャン・ベッテルに4ポイントに迫るものだ。

70周年記念GPの決勝を振り返ったヒュルケンベルグは「僕のレースはスペクタクルという程のものじゃなかったけど、レースに出られて嬉しかったし感謝している。さほど多くのバトルがあったわけではなく、セーフティカーもなかったけど、この10日間は本当に充実していた」と語る。

「もちろん、もう少し良い結果足り得たとは思うけど、それでもクルマは真っ当で楽しかったし、それを存分に楽しんで、この瞬間に感謝できるよう頑張った」

ヒュルケンベルグは残り9周まで5番手を走行していたものの、そのまま走りきらずに突如ピットイン。7番手に後退して、その順位のままフィニッシュラインを駆け抜けた。チームは、ヒュルケンベルグから酷いバイブレーションが発生しているとの報告があったためピットインさせた、と説明している。